新車バイクの車検はいつ?何年毎に必要?

バイクを所有し公道で乗るためには、法律にのっとって車検を受けなければいけないことをご存じでしょうか。日本ではバイクにも車検制度があります。

しかし、バイクは排気量によって車検の取り扱いが変わるなど制度が少し複雑です。そのためバイクの車検制度の内容について、詳しく知らない人も少なくありません。例えば、新車と中古車で車検時期に違いはあるのでしょうか。

本記事ではバイクの車検時期について詳しく説明します。

バイクの車検の年度は排気量で変わる

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車検とは自動車検査登録制度のことで、公道を走る自動車やバイクが保安基準に適合しているかを検査する制度です。

自動車やバイクは便利であると同時に危険な乗り物です。車検は安全に公道を走行できるように、故障などによる危険を未然に防ぐことを目的として、国土交通省が検査を管轄しています。

しかし、自動車とは異なり全てのバイクが車検を受けなければいけないわけではありません。

では、どのような違いで車検が必要かが決まるのでしょうか。バイクの車検を受ける必要があるかは、排気量によって決まります。

排気量125cc以下のバイク

排気量125cc以下のバイクは車検の義務がありません。道路運送車両法という法律によって、登録がされていない自動車の公道での使用は許されていません。

しかし、バイクはこの法律は適用されません。そのため、排気量ごとに異なった手続きによって、車両番号やナンバーの交付を受けます。排気量125cc以下のバイクは市区町村でナンバーの交付を受けます。

そのため、排気量125cc以下のバイクは道路運送車両法が定義する自動車とはいえず、車検を受ける必要がありません。

排気量125cc超から250cc以下のバイク

排気量が125cc超から250cc以下のバイクは、125cc以下のバイクと同様に、車検の義務はありません。これは排気量が125cc以下のバイクとは理由が違い、道路運送車両法に検査対象外軽自動車として規定されているからです。

なお、このクラスのバイクは車検の必要がないため、メンテナンス費用が安いクラスであるといわれています。ですが、12カ月の法定点検はしなければなりません。

定期的なメンテナンスが行われなければ走行中にトラブルを起こすリスクが高まるので、安全に公道を走行するためには自主的な整備点検が大切です。

排気量250ccを超えるバイク

道路運送車両法の規定によって、排気量250ccを超えるバイクは車検を受けなければなりません。車検は運輸支局もしくは自動車検査登録事務所で行っており、検査は2年間有効です。

検査後も継続して排気量250ccを超えるバイクを使う場合には、2年ごとに車検を受け直す必要があります。また、排気量250ccを超えるバイクは、道路運送車両法に基づいて、12カ月ごとの法定点検も行わなければなりません。

車検は400ccからは間違い

上記のように、車検が必要とされるのは排気量が250ccを超えるバイクに限られています。にもかかわらず、400ccを超すバイクから車検が必要であるとの勘違いが少なくありません。

その理由の1つが、日本のバイクのクラス区分にあります。一般的に日本のバイクは排気量の大きさに従って、次のようにクラス分けされています。

・50cc未満 原付きバイク
・50cc以上250cc未満 小型バイク
・250cc以上400cc未満 中型バイク
・400cc以上 大型バイク

中型バイクに車検が必要なことは広く認識されていますが、中型バイクは多くの場合、排気量が400ccあるバイクとして認識されています。そのため、車検は400ccから必要なのだと誤解を生みやすくなっています。

しかし、バイクの全てがこのようなクラスに区分されているわけではありません。小型バイクだと思っていても250ccを超えているバイクもあります。

排気量が250ccを超える全てのバイクは、車検を受けなければいけません。無車検のバイクにしないためにも、自分の乗っているバイクの排気量には注意が必要です。

新車バイクの車検は何年ごとか

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排気量が250ccを超える新車バイクの車検の期間は初回登録より3年です。以前は初回の車検も登録から2年からでしたが、2007年の4月1日に3年に変更されました。

この変更にともなって、排気量が250ccを超える新車バイクの初回登録より6カ月点検が廃止されました。

初回以降の車検は2年ごとに受ける必要があります。この車検期間は全てのバイクに適用されるわけではありません。例えば、レンタカーとして排気量が250ccを超えるバイクを使う場合、車検の期間は初回登録時から2年です。

それ以降は1年ごとに車検を受けなければならず、定期点検は6カ月ごとに必要です。レンタカーとしてバイクを利用する際には、注意しなければなりません。

なお、排気量が250ccを超える新車バイクは、道路運送車両法による登録の対象外となっています。しかし、運輸局の新規検査を受けてから車両番号が交付されるまでの手続きを、実務の場では登録として扱っています。

初回登録から10年過ぎたバイクの車検時期

初回登録から10年を過ぎたバイクは車検の期間が1年になるといわれることがあります。

これは以前の法律で定められていた車検制度のことで、1995年に変更されました。

それ以降は、初回登録から10年を過ぎたバイクであっても車検は2年毎となりました。

車検の期間には注意しよう

バイクの車検を受ける時期は決まりがあるわけではないので、好きな時期に受けられます。

ですが、時期によっては車検の有効期間が短くなってしまう場合があります。車検を有効期間が満了する1カ月前から満了日までの間に受けた場合、有効期間満了日から2年後が、次回検査満了日です。

しかし、1カ月よりもさらに前倒しで車検を受けた場合には、検査に合格した日から2年後が新たな車検の期間満了日となるため、車検期間が短くなります。

そのため、次回車検の時期を変えたいような特別な理由がない限りは、車検を受ける時期は期間満了するまでの1カ月の間がおすすめです。例えば、2019年の10月31日に車検期間満了日となっている場合、車検に合格した時期と次回車検満了日の関係は次のようになります。

・2019年9月30日以前 車検に合格した日から2年後
・2019年10月1日から10月31日 現在の満了日の2年後
・2019年11月1日以降 車検に合格した日から2年後

忘れてはいけない法定点検

車検とは別にバイクには整備や点検が定められています。12カ月点検と24カ月点検は法定されているため、法定点検と呼ばれています。

法定点検は初回登録より12カ月ごとに1度行わなければなりません。車検を受ける際には、法定点検の結果が記録された点検整備記録簿が必要です。

しかし、車検とは異なり、法定点検は実施しなくとも罰則はありません。ですが、バイクのコンディションを維持するためには定期的なメンテナンスは欠かせません。特に車検を受ける必要がない250cc以下のバイクでは、コンディションを確認するためにも法定点検は大切です。

また、法定点検を適切に行っていない場合には、メーカー保証が受けられなくなるなどのデメリットが発生することがあります。

車検切れには要注意

公道で車検期間が過ぎているバイクに乗ると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金がかされます。違反点数は免許停止処分となる6点です。

なお、自賠責保険の更新は車検の満了日と同時期の場合が多いです。自賠責保険が切れていると罰則はさらに重くなり、1年6カ月以下の懲役または80万円以下の罰金がかされます。

違反点数は12点で免許停止期間は90日です。2017年からは可搬式のナンバー自動読取取得装置の運用が始まっています。それによって車検切れのバイクを運転すると、捕まる可能性が高くなっています。

車検が切れたバイクには乗らないようにしましょう。

バイクの車検は初回が3年

バイクは排気量が250ccを超える場合に車検を受けなければなりません。初回は登録時より3年間です。継続してバイクを使いたい場合には、2年経過するごとに車検を受け直さなければなりません。

排気量が250cc未満のバイクに車検は必要ありませんが、定期的な点検は必要です。安全にバイクを使うためにも、車検や法定点検に関わらず、日々のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。