2019年5月7日 更新

ブレーキの異音を感じたら点検すべき5項目と鳴き止対策

今回は、バイクの運転中にブレーキの異音を感じたら点検するべき5項目を紹介します。そして鳴き止めといわれる、ブレーキの異音を解消するための方法についても取り上げます。 バイクの安全な運転のために不可欠なものであるだけに、ブレーキから異音を感じた時の原因や対処法がわからないと不安になるという人が大半です。 そのため今回は、バイクのパーツ別にそれぞれに適したトラブルの解消方法及び点検のタイミング等について触れていきます。

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ディスクブレーキに問題がある場合

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ディスクブレーキとは、車輪と一緒に回転する金属の円盤(ブレーキローター)をパッドなどの様々なパーツ(ブレーキキャリア)で両側から挟み込むことによりブレーキをかける仕組みです。

このブレーキディスクがゆがんでいたり、ローターの表面に傷がついていたりすると、パッドとの摩擦が均等でなくなり音が発生しやすくなります。

ディスクブレーキの交換時期はおおよそ走行距離に比例していて、ブレーキパッドは走行距離1万キロごと、ディスクローターの点検時期は走行距離5000キロ毎を目安に定期的な点検・交換が必要です。

ディスクブレーキの点検方法ですが、まずブレーキパッドの場合、ブレーキキャリパーをのぞき込み、パッドの厚さが2ミリ以下なら交換時期であると判断できます。
※パッドの残りがあってもバックプレートにサビが目立つ場合は、摩材との状態を直接確認する必要があります

ディスクローターの場合はまず目視によって傷やゆがみの有無を確認します。もし傷を見つけた際は、浅い傷ならサンドペーパーなどで研磨し、深い傷だったならローター交換を検討するタイミングです。

ゆがみについては、ディスクローターが元々平坦なパーツであるため、1ミリほどの段差があるなら交換時期です。またディスクブレーキにサビが発生した際も、浅い傷と同じようにサンドペーパーで処理することができます。

新品のブレーキパッドがバイクに馴染んでいない場合

特にブレーキパッドを交換した直後の時期は、パッドがブレーキディスクに馴染んでいないために異音の原因となっていることがあります。

この現象はバイク乗りにとってよく発生するものなので、一時期の異音が気になる人向けの「面取り」という作業も一般的になっています。

これはパッドが最初にディスクに当たる箇所を削るというもので、自分でも簡単に行うことができるものです。

また、パッドの鳴き防止専用のグリスというものもあるのでこれを使った処理を選ぶこともできます。

また、パッド購入時にお店に取り替えを頼むのであれば、それと同時にグリスを塗ってもらえることもあります。

しかし最近のブレーキパッドでは、特に純正の製品であるほど新品時の鳴きがしなくなってきています。また、新品の時点ですでに角取りが済んでいる製品も増えてきています。

そのため、運転中の異音が気になるということでなければ、あまり角取りやグリスの有無を気にすることもないといえます。

ブレーキキャリパーやブレーキレバー、ペダルの調整の問題

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ブレーキキャリパーが原因で異音が起こっている時は、同時にブレーキの引きずりが発生していることが多いです。

これはパーツの故障などが原因で常にブレーキがかかり続けたままになってしまう状態で、同時にバイクが動かしにくくなったり、ディスクローターが茶色く焼けている、などの症状がみられます。

ブレーキレバーやブレーキペダルの遊び調節が不適切な場合、それらの戻りの不良により油圧が少しだけかかったままになり、キャリパーが最後まで戻らずにブレーキがかかり続けてしまうといった状況が起こります。

また、純正以外のパーツにキャリパーを交換した際に、そのメーカーの寸法不良によってひきずりを引き起こすこともあります。

新品のバイクの純正品であるキャリパーが何らかのトラブルになるということは少ないです。キャリパーの疲労が運転上の不具合の原因になる前に、バイク自体を廃車にしたり売却することのほうが多いからです。

キャリパーの関係する制動力は、タイヤ、ブレーキパッドなど他のパーツとのバランスで決まる面が大きいため、それほどこのパーツのみの劣化を気にすることはないといえます。

ちなみにキャリパーが劣化した際に表れる症状というのは、ロールバックの甘さやシールからのブレーキフルードの漏れなどが挙げられます。

異音とは少し話が逸れますが、何年も同じバイクに乗っているとキャリパーに汚れが溜まり、ハンドルの引きずりの原因になることがあります。

このような症状に心当たりがある時は、ブレーキパッド交換時に合わせてバイク屋さんに点検してもらうのも一つの方法です。

マスターシリンダーのピストンの問題

マスターシリンダーは、ピストン運動でフルードを加圧し、そのエネルギーでブレーキをかけるための役割を果たすパーツです。

この部品のピストンの動きが悪くなっている場合も引きずりの原因になります。マスターシリンダーのフルードがマスターカップに戻ってくるスペースの直径は1ミリもなく、わずかなごみや汚れが原因で詰まりを起こしてしまうことがあります。

この場合、ブレーキを効かせ始めることはできますが、フルードが帰ってこないためブレーキの解除をすることができません。

また、長年同じフルードを使った際に起こる結晶などもトラブルのもとになります。この場合はフルードを取り出して洗浄するか、それで詰まりが解決しない場合はパーツ交換をする必要があります。

また、他に挙げられるマスターシリンダーの劣化、故障の特徴として、ブレーキが効きづらくなる、フロントブレーキしか効かなくなり静止するまでの距離が伸びる、マスターシリンダーの液面チェック時に異常が見つかる、などが挙げられます。

ブレーキのエア混入が原因となっていることもあり、その区別は難しいとされているのですが(その対処法は後で取り上げます)、エア噛みを解消してもまだ症状が続く時はマスターシリンダーに問題があると考えるべきです。

このパーツの交換方法は、整備経験がある人であれば1時間もかけずに行えるようなものですが、もし失敗してしまうと必要な処置をするまで走行ができなくなってしまう工程があるため、自信のない方の場合は初めからバイク屋さんに依頼する必要があります。

先ほど出てきたエアについてですが、油圧式ブレーキに重要なブレーキフルードに空気が入り込んでしまうとブレーキの制御力の低下につながります。

この状態を解決するのがエア抜きになります。この作業も特徴をつかんでしまえば個人で行えるものですが、いくつか注意点があります。

まず、調整中にブレーキフルードの量が減った場合は補充をすることと、エア抜き中にパーツのネジを緩めている際はレバーを手から離さないことです。

エア抜きは根気を要する作業なので、慣れないうちは手順やパーツの状態を確認しながら丁寧に進めることがコツです。

ドラムブレーキ特有のブレーキトラブルについて

ここまではディスクブレーキに焦点を当てたブレーキのトラブルについて触れてきましたが、ここではドラムブレーキ特有の、ブレーキ関連の異音の原因と解決方法を挙げていきます。

ドラムブレーキではその構造上、ブレーキから異音が起こる理由のほとんどがドラムの中のブレーキの削れかすによるものとなっています。

特に軽いブレーキをかけた際に鳴きが起こりやすいです。ブレーキドラムの内側に黒い汚れが見つかる場合は、エアスプレーなどで清掃するだけで症状が改善することも多くあります。

ブレーキのトラブルを知り、より安全で快適なバイクライフへ

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多くの種類のトラブルとその原因があり、放置しておくと重大な事故につながる可能性もあるのがバイクのブレーキというパーツですが、適切な対処法やパーツの交換時期を知っていればそのような事故を事前に防げるケースも多いです。

自分で部品のメンテナンスや交換までしようとすると多くのことを調べなければいけませんが、そのような専門的なことはショップにお願いすることもできます。

バイクには多くの魅力が詰まっているからこそ、地道な点検作業を欠かさずに行い、長くバイクを楽しんでいけるようにしましょう。
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