2019年1月18日 更新

バイクの正しいブレーキのかけ方とは?

バイクの基本動作である「進む」「曲がる」「止まる」のうち、もっとも難しいのが「止まる」すなわちブレーキ操作です。四輪自動車のようにフットペダルを踏むだけではなく、前後のブレーキを別々に考えて使わないといけないので、最初のうちは慣れない操作にとまどうライダーも多いでしょう。 この記事では、バイクの正しいブレーキのかけ方について説明します。

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バイクのブレーキの種類

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バイクにも四輪自動車と同じように、AT車とMT車があります。AT車は原付バイクやスクーターのようなバイクです。

それ以外はMT車です。AT車とMT車でブレーキの操作も異なります。AT車は自転車と同じで、ハンドルの左右のブレーキレバーが前後のタイヤのブレーキになっています。

右のレバーがフロントブレーキ(前輪ブレーキ)、左のレバーがリアブレーキ(後輪ブレーキ)です。MT車は右のレバーがフロントブレーキなのは同じですが、右側のフットペダルがリアブレーキになります。

また、AT車はスロットル(アクセル)を戻すことでエンジンブレーキがかかります。MT車はスロットルに加えて、ギアダウンすることで、AT車より強いエンジンブレーキをかけることができます。

このように、AT車は自転車に乗ったことがある人は直感的に操作がわかりますが、MT車はまるで違う上に、エンジンブレーキを使うときはクラッチ操作もしなければならないので、かなり複雑に感じるでしょう。

操作は別にして、バイクにはフロントブレーキ、リアブレーキ、エンジンブレーキの3種類のブレーキがあると覚えてください。

ブレーキの特性

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バイクは四輪自動車と違い、停止してサイドアームやスタンドを立てない限り、安定して自立することはできません。常にライダーがバランス操作をしていないと、倒れてしまいます。

このように不安定なためブレーキ操作が難しく、へたなブレーキのかけ方をするとバランスを崩して転倒することになります。まずブレーキの特性について覚えましょう。これはAT車もMT車も同じです。

最初にフロントブレーキですが、もっとも制動力があるブレーキです。そのため、停止するときはこのブレーキを主体に考えることになります。

いきなり強くかけると前輪がロックしてすべってしまい、転倒の原因になりますので、注意してください。

次にリアブレーキですが、フロントブレーキに比べると制動力は弱いです。しかし、バイクの姿勢を安定させる働きがあります。

もちろん強くかけると後輪がロックしてすべってしまい、転倒の原因になるのは同じですので、注意しましょう。

最後にエンジンブレーキですが、姿勢にほとんど干渉しないで減速できます。制動力は一番弱いです。特にAT車は意識してギアダウンを行うことはできないので、あまり制動という面では期待しない方がよいでしょう。

ただし、スロットルを戻すだけで使うことができるので、簡単に少ないリスクで減速できます。

なお、リアブレーキがなぜ姿勢を安定させるのかと疑問に思う人もいるでしょうから、簡単に説明します。

リアブレーキをかけると後輪に制動がかかるので、後ろに引っ張られる力が働いてリアのサスペンションが沈みます。

また減速がかかるので前輪にも制動がかかり、フロントのサスペンションも沈みます。つまりバイク全体が下方向に加重がかかる形になるので、姿勢が安定するわけです。

フロントブレーキだと、前につんのめる形になるので、リアが浮いてしまいます。したがって、フロントブレーキでは姿勢は安定しません。

ブレーキの正しいかけ方

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基本的な注意点はAT車とMT車で同じなのですが、操作が違うため自分の乗るバイクに合わせて読んでください。通常の停止の場合から説明します。

まず、AT車ですが、直進姿勢であることを確認し、スロットルを戻しながら、左右のブレーキレバーで同時にブレーキをかけます。

このときフロントブレーキの方が制動力が強いので、フロントレバーの方を強めに握ります。

はじめはどのくらいの強さでかけると、どのくらいの距離をすすんで止まるのか(制動距離といいます)わからないでしょうから、車の多い公道ではなく、人のいない空き地などで練習してみるのがよいでしょう。大事なのは直進姿勢というところです。

傾いた姿勢でブレーキを掛けると車輪が滑って転倒する原因になります。必ずまっすぐな状態で止まることを意識しましょう。

次にMT車ですが、直進姿勢にあることを確認し、スロットルを戻しながら、右のブレーキレバーと右足のフットペダルで同時にブレーキをかけます。

フロントブレーキの方が制動力が強いので、フロントレバーの方を強めに握ります。減速しながら、左のクラッチレバーと右のスロットルでアクセルワークを使いながら左のフットレバーでギアダウンしていきます。

アクセルワークというのはギアを落とすたびに、アクセルをふかして下がったギアの回転数に合わせてからスロットルを戻すことを繰り返すことです。
これをしないと、エンジンブレーキが効くたびにカクンカクンするので、必ず行いましょう。

MT車の方が左右の手足を同時に使わないといけないので、かなり難しいことがわかります。これも制動距離の感覚をつかむためと、左右の手足の動きになれるために、車の多い公道でなく、人のいない空き地などで練習してみるのがよいでしょう。

自動車学校で免許を取るときにある程度慣れているでしょうが、車種によって、制動距離や操作の強弱の感覚が異なりますので、かならず体感して慣れてから、公道に出るようにしてください。

次に曲がるときの減速です。街中での右左折などは、法定速度を守って走っている限り、アクセルワーク(エンジンブレーキ)や軽くブレーキをかけるだけで十分なのですが、ツーリングに出かけて、山道に差しかかったときなどは、きちんとブレーキで減速して曲がる必要があります。

峠を攻める人やプライベートでレースをしている人などは、シビアなブレーキングテクニックが必要でしょうが、ここではごく普通のライダーの話をします。

まず、ブレーキをかけるとバイクの車体は直立しようとすることを覚えておいてください。

これを忘れると、コーナーに入ってから速度が速いことに気づいてブレーキをかけてしまい、バイクが立ち上がって曲がり切れなくなったり、反対車線に飛び出して対向車とぶつかるなどの事故の原因になりますので、絶対に忘れないでください。
つまり、曲がる前に十分減速して、曲がっている間はブレーキをかけないというのが鉄則です。まず、コーナーが見えてきたら、どのあたりで曲がり始めるかを決めます。バイクは曲がるときに車体を倒さないといけませんが、ブレーキをかけると車体は立ち上がるので倒せません。

したがって、曲がり始めるポイントを決めて、そこに行くまでに十分な減速をする必要があります。

バイクの運転に慣れていないうちは、ちょっと落としすぎかなというくらいのスピードでよいです。

慣れてきたらどのくらいのスピードなら安全に曲がれるかわかってきます。減速は停止と同様、まっすぐな状態で行います。

フロントとリアのブレーキを使ってゆっくり減速します。MT車は速度を落とすのに合わせて、ギアダウンを忘れずにしましょう。

曲がるポイントにきたらブレーキを離して、体重移動でバンクし、コーナーを曲がります。出口にむかうあたり(クリッピングポイントといいます)から速度を上げていきます。

最後に急制動です。本来は急制動をしない運転を心がけるべきですが、道路を走っているのは自分だけではありません。

前の車が急制動をかけたり、荷物が崩れて落ちてきたのを回避するために急制動しなくてはならなかったり、急制動が必要になる可能性は誰にでもあります。

そこで、急制動の仕方も覚えておいた方がよいでしょう。ここでは街中の40Kmくらいのスピードでの急制動の仕方を書きます。

まず、直進姿勢を忘れないでください。次に自分の身体ですが、ガソリンタンクを足で強くはさんで(ニーグリップ)、上半身は立てます。急制動のときは身体は下半身で支えて上半身はブレーキやクラッチの操作に集中できるようにしましょう。

急制動で一番頼りになるのはフロントブレーキですので、フロントに重量がかかりすぎないためにも、上半身は立てるようにします。

これができたらすぐにブレーキをかけます。タイミングとしてはリアブレーキをかけてすぐフロントブレーキをかけるのがよいです。リアブレーキによる姿勢安定をしてからフロントブレーキの制動力をいかします。

フロントブレーキはいきなりぎゅっと握るのではなく、最初はゆっくりでじわっと強くしていきます。前輪がロックしないよう見極めてください。ちなみに教習所では11mで停止することが求められます。

また、2018年10月1日より、バイクにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を搭載することが義務化されました。

すでに大半のバイクがABSを搭載しています。ABSは急制動をかけたときに車輪がロックするのを防いでくれます。

ブレーキ操作に余裕がないときは、かなり頼りになりますが、過信は禁物です。高速道路などで急制動をかけたときは、ロックしなくても車体が滑りますし、ABSが完全にロックを防いでくれるわけではありません。

常に自分のブレーキ制御の能力を高めることは忘れないでください。

また、急制動は緊急事態ですから、転倒する場合もあります。そのときはあえて進行方向とは逆側にバイクを倒します。これだと身体がバイクの後を追いかける形になるので、転倒してもバイクにつぶされないで済みます。

転倒しないのが一番よいですが、ロックで滑ったりした場合はこれを忘れないでください。

正しいブレーキのかけ方は命を守る

バイクは不安定な乗り物ですので、誤ったブレーキ操作は最悪の場合、死に直結します。

フロントブレーキ、リアブレーキ、エンジンブレーキの3つの特性を把握し、直進姿勢でブレーキをかけることを忘れなければ、ブレーキをかけて転倒する確率は大幅に減少します。

ABSなど新しい技術も安全性を高めてくれますが、最終的にはライダーのブレーキ操作が安全を確保します。この記事を読んで知ったことをバイクの運転にいかしてください。
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