読書の秋に読みたい!バイクが登場する小説6選

バイクで遊ぶ
気温が心地よく、夜が長くなって読書が捗ることから「読書の秋」と呼ばれるこの季節。特にこの秋は台風が多く、休日にツーリングができないことも多いため、家でゆっくり読書をしたくなるという方も多いかもしれません。ライダーたるもの、せっかく読書をするなら、バイクが出てくる小説を読んで次回のツーリングへの期待を高めてみませんか?そこで今回は、作中にバイクが登場する小説を6作品ご紹介します。

「天竜川高校 竜競部!」:郁子匠

 (13076)

「やりたいことを見つけたい!」と意気込むヘタレ高校生が、高校の新入生歓迎会で見たド迫力のバイクスタンドに魅せられ、「竜競部」に入部。仲間とともにスポンサー集めに奔走する……という青春物語。少年たちのバイクに対する熱い想いや徐々に成長していく様子、レースの臨場感がリアルに描かれており、読むたびに新鮮な気持ちにさせてくれます。「最近、バイク熱が薄れてきたような気がする」「もう一度青春気分を味わいたい」という方は必読です!

「時々、風と話す」:原田宗典

男と女、そしてバイクをテーマにした短編集です。無骨な男と自由な女が織りなす恋模様は、ちょっぴりほろ苦い大人の味。執筆された平成初期の空気感が味わえる、どこかノスタルジックな空気感も特徴的です。一つひとつの話が短く、サービスエリアでの休憩ごとにさっと読める程度のため、ツーリングのお供にもぴったりですよ。

「千マイルブルース」:山田深夜

 (13081)

バイクと旅にまつわる物語を集めた短編集。バイク雑誌「アウトライダー」などに発表した作品が収められています。20年間勤めた会社を辞め、バイクにまたがりながら人生を見つめ直す男、かつて捨てた故郷を再びバイクで目指す男など、脱サラしてバイク小説を世に送り出す作者が自分を投影して描いた、アウトローで不器用な男たちの生き様が詰まった珠玉の一冊です。

「ロンツーは終わらない」:山田深夜

こちらは山田深夜氏の長編小説。頑固で孤独な中年ライダーが、ロングツーリング中の青森で“ワケあり”の青年をうっかり拾ってしまい、さまざまな「父と子」の姿を目にしながら東京までの道のりを共にするという物語です。ハラハラさせられる場面あり、笑いあり、涙ありの読み応えたっぷりな作品で、読み終わった後は家族の形や人生について深く考えさせられること間違いなし。

「風と旅とオートバイ」:斎藤純

 (13086)

それぞれのライダーたちの「心の旅」を描いた、12作品を集めた短編集。過度に「バイクの世界」を強調しすぎない、さらっと爽やかで軽快な読み応えが特徴的ながら、バイクに乗っているときのワクワクした気持ちを思い出させてくれる一冊です。ライダーの皆さまが楽しめるのはもちろん、バイクに乗らない家族や恋人に読んでもらい、バイクの楽しさをちょっぴり知ってもらうのにも最適な作品集です。

「ラスト ラン」:角野栄子

この物語の主人公は、なんと74歳のおばあさんライダー。自分の死期を悟り、人生を締めくくる「ラストラン」として東京から岡山へのロングツーリングを決行し、幼少期に死別した母の故郷を目指します。到着した母の故郷での女の子の「ゆうれい」との出逢い、他の霊との心温まる交流、「ゆうれい」の女の子の恋――。子どもでも楽しめるファンタジー要素をはらんだ和やかな物語ながら、生涯自分を貫くおばあさんライダーのカッコよさが描かれた作品でもあります。「年を取っても現役ライダーでいたい!」という気持ちを持つ方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

秋の夜長は物語の世界にどっぷりと浸かろう

せっかくの読書の秋。普段は外を走り回ってばかりという方も、たまにはどっぷりと物語の世界に浸ってみませんか?ひょっとすると、忘れかけていたバイクに乗れるありがたさや楽しさ、この世界の素晴らしさを、物語を通してより深く感じられるようになるかもしれません。