いよいよシーズン開幕!3月12日(土)筑波ロードレース選手権第1戦参戦記

いよいよ2016年のレースシーズンが開幕となりました。

今シーズンの幕開けとなるのが3月12日筑波サーキットで開催される「筑波ロードレース選手権第1戦」です。
事前にお伝えしたように、豊島怜がYZF-R25を駆り、今期から始まるJP250クラスに。豊島智博が昨年同様CBR250Rドリームカップへの参戦です。

今回の筑波戦はJP250クラスのレギュレーションで行われる初のレース。
参加車両もYAMAHA YZF-R25、KAWASAKI Ninja250、HONDA CBR250R、同じくVTR250などとバラエティに富んでおり、どのマシンが有利か、誰が勝つかわからない大変興味深いレースです。

事前のテストでは二人とも好調を維持し、好タイムを記録しておりました。
特に昨年後半転倒が多かった怜が、気持ちを入れ替えたのか親父に散々〆られたのかはわかりませんが、実にクレバーな走りを身につけ、R25のシェイクダウンからここまで転倒ゼロ!

筑波の各コーナーで怜の走りを観察すると、フォーム、ラインともにCBRカップ時代から大きく変わっております。

圧巻なのは筑波1コーナーの進入。
ブレーキングで「リアを入れて」スライドを誘発させ、どのライダーよりもハイスピードで進入しております。
この走りを市販車改造クラスでできるのは、私の記憶だと過去に二人しかいません。(誰かはナイショ)
これは実戦で大きな武器となるでしょう。
素晴らしい進化です。


しかし、マシンのシェイクダウンからわずか1ヶ月での初戦。
マシンのセットアップを詰めるにはあまりにも時間が足りません…

足回りはだいぶ自分好みに仕上がったようですが、燃調、点火をつかさどる調整式のECUを組み込んだのがレース前日…
ECUのセットアップを試す間もなくレースの日が来てしまいました。

今回の走行よりマフラーを純正から変更。
「R25用で一番パワーが出る」という鈴鹿の「クラフトアルマジロ」製MARVERICKレーシングマフラーを採用しました。

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http://www.craft-armadillo.com/mufler/yzf-r25fullex.html
本来第1戦にはまったく間に合わないスケジュールだったのですが、社長に無理を言って試作品を1本回してもらい、なんとかレース直前に装着完了。
パフォーマンスも大きく向上し、軽量化にも一役買っております。

2015年モデルのCBR250R後期型を駆る智博も、最初は今までと全く異なる足回りのセッティングに戸惑ったようですが、今ではすっかり自分のものとし、練習走行では非公認ながらCBR250Rカップのコースレコードをたたき出し好調さをアピール。

両ライダーともに期待と不安を抱えながら迎える開幕となりました。

それでは早速レースレポートです。

まずは豊島智博が参戦したCBR250Rドリームカップから
今期より新カテゴリー「JP250」が開催されるため、従来CBRカップに参戦していたライダーがゴソっと移行するかと思いきや、筑波のCBRカップは熱いまま。

強豪チーム、強豪ライダーが大勢参戦しております。

昨年は旧型マシンでの参戦だったため、満足のいく成績をあげられなかった智博。
今期は怜のお古とはいえ後期型のCBR250Rを手に入れ、万全の体制での参戦です。

まずは朝イチで行われた予選から

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真冬並みの気温から路面温度は非常に低く、実に難しいコンディションでの走行となりました。
予選開始早々好タイムを記録し、予選3番手まで浮上。

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しかし予選終了間際に第1ヘアピンでフロントがブレイクしそのままスリップダウン・・・

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photo by Kazuhiro Koyano

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智博いわく、ブレーキをリリースした瞬間、急激にフロントが切れ込み、対処できなかったとのこと。

真冬を思わせる気温で路面温度が上がらず、右コーナーばかりの筑波で、2つだけある左コーナーの1ヘアで、タイヤの左側が冷えてしまったのでしょう…

そして序盤に出したタイムのおかげで予選3番手のフロントローを確保。
幸いなことに、ライダーに怪我はなく、マシンの損傷も軽微。
問題無く午後の決勝は走れそうです。

そして迎えた決勝。

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スタートはまずまず決まり、予選順位をキープした3位のままでラップを重ねます。

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しかし慎重になりすぎているのか、ヘアピンの進入とアジアコーナーの切り替えしに切れが見られません…

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ラスト数周の第2ヘアピンで失速。

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バックストレートで2台にパスされ、5位までドロップします。

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その後、激しいチャージを見せますが、パスすることは叶わず5位でフィニッシュ。
なんとか表彰台(筑波は6位まで表彰)を獲得しました。

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智博の実力なら、もう少し上を狙えたはず。
完全に予選での転倒が響いてしまいました。
チームマネージャーを務める怜と智博の実兄いわく「智博は転倒を引きずるタイプ」と言っていたのを思い出しました。
すでにライディングのスキルはトップレベルなので、あとはメンタル面での成長を期待いたします。


そしてエースライダーの豊島怜が参戦したJP250のレポートです。

2月の半ばにマシンを手に入れ、ここまで何度かのテスト走行をしましたが、あまりにも開発時間が短く、ほぼぶっつけ本番で臨んだ本戦。

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予選ではバックストレートでバンバン抜かれ、トップスピードの伸びなさを露呈しておりましたが、なんとかサードローの9位を確保。

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スタートは軽くフロントはリフトさせましたがまずまず。1コーナーまでのポジション争いにも一歩も引かず、1台をパスしてポジションアップ!

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photo by Kazuhiro Koyano
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その後も歴戦のライダーを敵に回し、激しいバトルを繰り広げます。

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photo by tk_yakan

予選の後にECUのセットアップを大幅に変更したのが功を奏し、ストレートでもトップグループのマシンに着いていけます。

一時は3位までポジションを上げたものの、最終的に1台にパスされ、総合4位でフィニッシュ。

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photo by Kazuhiro Koyano

本レースは国際ライセンスのライダーと、国内ライセンスのライダーが混走、別表彰ですので、怜の最終的なリザルトはJP250ナショナルクラス3位でフィニッシュです。

イェア!

JP250初レースで表彰台獲ったぜ!

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photo by Gally728

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レース前は開発の遅れもあり、正直な所「シングルフィニッシュできれば上々だろう…」ぐらいに思っていましたが、いい意味で予想を裏切られました。

そして怜の走りの進化には驚かせられました。

そして初開催されたJP250クラスを見た感想は…

実に面白いレースです!

開幕前は、筑波サーキットに関してはCBR250R改300が有利との下馬評でしたが、私の見る限りR25、Ninja250、CBR300Rは完全に互角。

それぞれ得意なコーナー、不得意なコーナーはあるようですが、ライダーのスキルが一番重要な点ではかつてのCBRカップ同様、非常に見ごたえのあるレースです。

今後の各マシンの熟成が楽しみです。

それでは両ライダーのレースレポートをどうぞ。

豊島智博
前日練習では雨が降っていて5本の走行のうち走れたのは最後の2本だけでした。
レース当日
気温は昨日よりも少し高いぐらいでした。しかし、それでも気温はとても低かったです。
予選
予選前から太陽が出てきていました。
しかし、路面温度はとても低かったです。
結果は3位でしたが、第一ヘアピンでスリップダウンをしてしまいました。
バイクは軽傷で少しホッとしました。
決勝
決勝前は久しぶりのレースということもあってとても緊張しました。
スタートは上手くいき1コーナー進入では3位で順位を落とすことがなくてよかったです。
3位をずっとキープしていましたが残り4周ぐらいに失敗してしまい順位を2つ落としてしまいました。
そのまま前に出られず結果は5位でした。
悔しいレースでしたが、去年は1回も表彰台に立ったことが無かったので少し気持ちがよかったです。
1回1回の練習をしっかりとして表彰台の真ん中に立てるように頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします。
応援してくださった皆様やサポートしてくださった皆様、家族の人たち、お手伝いに来てくださった皆様、転倒してしまった時に完璧に直してくれた方々本当にありがとうございました。


豊島怜
ついに、今年のシーズンが開幕しました
自分はR25に乗り始めたのが遅かったので、開幕までにセッティングが間に合うか不安でした。

結局、貴重なレースウィークの練習も雨で走れなかったのでセッティングを詰めることができませんでした。
なので正直、開幕戦は無理をせずデータ取りに専念しようと思いながらレースを迎えました。

レース当日、ハッキリしない天気で、3月とは思えないほど寒かったです。
予選は走る位置が悪く、1周しかタイムアタックができませんでした。
予選の結果は9位でした。

想像していたよりも予選の結果が悪くなかったので、入賞を狙うことにしました
決勝の時間が近づくにつれ気温がどんどん下がっていき、路面温度も真冬並みになってしまいました。
さらにルール上、ピットやグリッド上でタイヤウォーマーの使用が禁止されています。
フォーメーションラップで入念にタイヤを暖めグリッドにつきました。

そしてスタート!
ウィリーしてしまいましたが、7位で1コーナーに進入しました。
そこからは手に汗にぎるバトルが展開されました。
データを残すために、無理をせずに走りました。

なんと、
3位表彰台獲得!!

これからもっとセットを詰めていき、優勝を目指して頑張ります!
家族、チームの皆様、スポンサーの皆様、お手伝いに来て下さった皆様、写真を取りに来てくださった皆様、そしてバイクを間に合わせて下さった皆様
ありがとうございました
お疲れ様でした

次戦は翌週3月20日(日)にツインリンクもてぎで開催されるもてロー第1戦。
豊島怜がJP250クラス、智博がCBR250Rドリームカップ エキスパートクラスに参戦いたします。
皆様の応援お待ちしております。


テクニカルスポンサー
ダンロップモーターサイクル様(タイヤ)
グリップ商事様(タイヤ)
72Jam(ジャムテックジャパン)様(外装・ヘルメットペイント)
ワコーケミカル様(油脂類)
EKチェーン様(ドライブチェーン)
XAM JAPAN様(スプロケット)
カラーズインターナショナル様(ステップキット)
Projectμ様(ブレーキパッド JP250で使用)
ZCOOブレーキパッド(ブレーキパッド CBRカップで使用)
J-TRIP様(レーシングスタンド)
NTR-TNK様(タイヤウォーマー)
MECHANIX WEAR(整備用手袋)
クラフトアルマジロ様(マフラー)
SHOEIヘルメット様
デグナー様(レザースーツ)
FIVE GROVES(ライディンググローブ)
FORMA PERFORMANCE BOOTS(レーシングブーツ)
ACF様(車両メンテナンス他)
N-PLAN様(車輌コーディネート・ライディングアドバイザー)
802SPEED様(怜・智博パーソナルスポンサー)
インテリアトシマ様(怜・智博パーソナルスポンサー)
Mr.itwoo(ヘルメット・レザースーツ・車両外装デザイン)
Mr.Yo_Hirasawa(イラスト作成)

Special thanks
Gally728
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Kazuhiro Koyano
TK_YAKAN

そして朗報!
2014年シーズンまでチームナップスに所属していた奥田教介選手(桜プロジェクトwith PURETECH&MF)が、同レースST600ナショナルクラスにて見事優勝!
卒業生の活躍が見られるのはなによりウレシイです。

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