バイクユーザー車検のコツとは?保安基準のポイントとは

バイクのユーザー車検はそれほど難しくはありません。ちょっとした知識さえあれば初めての人でもスムーズに検査を受けられます。

ただ、検査である以上、所定の項目を満たさなければ合格できないこともまた事実です。

そこで、今回はバイクのユーザー車検を受ける人が知っておきたい車検時のコツや気になる保安基準のポイントなどについて詳しく解説します。

まずは必要書類を準備!事前に検査項目や予約の方法などもチェックしておこう

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ユーザー車検でスムーズに検査を通すためには事前の準備が欠かせません。必要書類が用意できていなかったり整備箇所に不備があったりした場合には再検査となってしまうので、車検に必要な項目は事前によく確認しておきましょう。

まずはバイク車検で必要となる書類を準備

ユーザー車検で必要となる書類は、車検証、軽自動車税納税証明書、自賠責保険証、点検整備記録簿(車検後に整備をする場合には不要)などです。

車検場での書類作成には印鑑も必要です。自筆サインでも書類の作成は可能ですが、できるだけ印鑑も持参しておきましょう。車検費用と重量税は車検場で収入印紙を購入して支払います。

また、自賠責保険の更新は陸運局にある代理店でも手続きが可能です。軽自動車税納税証明書が手元に届いていない場合は前年の証明書でも構いません。

有効期限内の証明書なら問題なく手続きできます。車検証を含むこれらの書類は必ず必要となる物です。検査前には必ず手元に用意しておきましょう。

車検の際に調べられる車検項目の内容をチェック

車検では車検証記載情報との相違や外観の確認をはじめ、灯火類、排ガス・騒音検査のほか、スピードメーター、ブレーキ制動力、ヘッドライトの光軸チェックなどが行われます。

これらのチェック項目はいずれも必須となっており、1つでも保安基準を満たせなかった場合は車検を通すことができません。失格した項目は再検査が必要です。

こうした事態を避けるためにも検査前には十分なチェックが必要となります。

車検前の事前予約も忘れずに

バイクのユーザー車検は陸運局に行けば受けられます。検査は平日のみの実施です。陸運局に行けばそのまま検査を受けることも可能ですが、検査は事前予約をした人から順番に進められます。

繁忙期には多くの人が検査を受けに来るので、予約なしだとその日の内に車検を受けられない可能性も出てきます。

予約は陸運局のホームページや電話からでも可能です。ゆとりをもって検査に臨むためにも、車検前にはできるだけ早めに予約を取っておくようにしましょう。

車検の基本的な流れを紹介!保安基準は6項目を中心にチェックが行われる

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車検場の検査ラインでは保安基準を満たすための6項目を厳しくチェックされることになります。そこでここでは検査でチェックされる保安基準について詳しく紹介しましょう。

書類の作成

陸運局で車検を受けるためにはまず書類を作成しなくてはなりません。書類は陸運局内にあるユーザー車検窓口で作成できます。

ここで「継続審査請求書」や「自動車検査票」などの書類を受け取り車検証の記載などを参考に必要事項を記入していきます。後は検査費用と重量税を納める収入印紙を所定の書類に添付すれば準備は完了です。

もし、分からない点がある場合は窓口の人に尋ねて正確に記入しましょう。

車検証記載情報との相違や外観の確認

検査員に必要書類を渡すとまずは外観を車検証記載情報と照らし合わせるチェックが始まります。チェックポイントは外観に関わるところすべてです。

ミラーの取り付け具合、ステップの有無、ボルト類のチェック、ハンドルの高さや寸法などが詳しく調べられます。

外観検査を突破するコツはバイクをできるだけノーマルの状態に近づけておくことです。とくにタイヤの残り溝が1.6mm以下の場合には不合格となるので心配な場合は事前に交換しておきましょう。

また、バイクをカスタムしている場合は改造申請や車検証の記載変更が必要となる場合も出てきます。保安基準内の改造でも申請書類の変更は必要なので、改造したパーツの情報はすぐに答えられるよう準備しておくことも大切です。

灯火類の検査

灯火類の検査ではヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、ホーンなどがチェックされます。レーンに入ると検査員が指示を出してくれるので、その合図に合わせて灯火類を点灯させましょう。

この検査でとくに注意すべきはヘッドライトの光量です。HIDライトなどへの変更を施している場合、8,000ケルビン以上の光量があると失格となってしまうので注意しましょう。

また、ウインカーの取り付け具合も厳しくチェックされます。とくに貼り付け式ウインカーの場合は角度が問題となりやすいので注意が必要です。

排ガス・騒音検査

排ガス・騒音検査は専用の機器をマフラーの吹き出し口に当ててチェックします。この検査では排ガスの濃度、騒音(デシベル数)などのチェックが行われますが、排ガス濃度や騒音の基準はバイクの製造年代によって異なります。

そのため古い形式のバイクで多少騒音が気になる場合でもノーマル状態で性能に支障がなければ車検を通すことは可能です。

ただ、社外品マフラーに交換している場合は、現代の規制値に合ったマフラーであることが求められます。もし、排ガスや騒音が気になる場合は現在の基準に合ったマフラーに交換しておきましょう。

スピードメーター

スピードメーターのチェックは車輪をローラーにのせて行われます。足元にあるフットスイッチを踏むとローラーが回転するのでアクセル操作は必要ありません。

ギアをニュートラルに入れた状態で検査機器の上に乗りましょう。フットスイッチを踏んで時速が40kmに達したら電光掲示板か音声で指示が出るので、その指示に合わせてブレーキを握ります。

この検査はローラーの速度とスピードメーターの速度が一致していれば合格です。こちらの検査で注意すべきはスピードメーターの交換やタイヤのインチアップなどを行った場合などです。多少の誤差は許容範囲内とされていますが誤差が大きい場合は不合格となるので注意が必要です。

ブレーキ制動力

ブレーキ制動力の検査はスピードメーターのチェックと同じ機器で実施します。まずは前輪をローラーに乗せ、検査員の指示があったらブレーキを握ります。

前輪のチェックをパスした後は後輪の検査です。バイクを少し前に進めて後輪をローラーの上に乗せましょう。前輪の時と同様に、検査員の指示に従ってブレーキを握ります。

とくに問題が無ければブレーキ制動力テストは終了です。このブレーキ制動力テストでは、ブレーキパッドの状態もチェックされます。たとえ検査項目をクリアできても、ブレーキからスキール音がする場合などには車検に通りません。検査を無事に通過するためにもブレーキパッドの状態は車検前によくチェックしておきましょう。

ヘッドライトの光軸チェック

光軸チェックはヘッドライトの光の向きを調べる検査です。ヘッドライトテスターと呼ばれる機器の前までバイクを移動し、そこでエンジンをかけてライトを点灯します。

ライトの位置はロービームです。ギアはニュートラルにセットします。この検査では光軸の縦と横の角度がチェックされます。

この検査を受ける際の注意点はできるだけバイクを水平にすることです。検査時には前輪が固定されるためあまり心配はありませんが、体を大きく動かしたはずみで光軸が大きくブレることがあります。

その場合には正しい測定結果が出ないこともあるので、検査時はできるだけバイクを動かさないようにします。

再検査は1日3回まで!不安な場所は事前にチェックしておくことが大切

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ユーザー車検をスムーズに進めるコツは事前にバイクの状態を良くチェックしておくことです。

もし、保安基準を満たせない部分があった場合は再検査が必要となってしまうので、できるだけ1回で検査をパスするためにも事前の整備はしっかりとやっておくようにします。

また、検査の流れも事前にチェックしておきましょう。検査の流れ自体はとてもシンプルなので、事前にチェックしておけば初めてでもスムーズに車検を進めることが可能です。再検査となった部分は1日に3回までなら再検査を受けることができます。

もし、再検査を指示された場合には、検査員にどのように修正すべきか必ず確認することも大切です。再検査は不合格になった部分だけでかまいません。すでに合格している部分については、そのままスルーして再検査に臨むことができます。

ただ、不合格となった部分によってはその日の内に修正できないこともあるでしょう。そうならないためにも、不安なところはあらかじめディーラーなどでチェックしておくことをお勧めします。

ユーザー車検はとても簡単!車検をスムーズに終えるコツは事前の準備にかかっています

ユーザー車検の仕組みはとてもシンプルです。車検証や納税証明書など必要な書類を準備すれば半日程度で検査を終えられます。

ただ、スムーズに車検を終えるためには、検査で引っかからないよう、保安基準パーツを中心にしっかりと整備してから臨むことが大切です。整備の方向性が分からない場合はできるだけノーマルの状態に近づけます。

もし、不安な場合は整備工場やディーラーでチェックを受けておきましょう。