バイク用マフラーの選び方とおすすめメーカー6選!【車検対応・排ガス規制・素材まで徹底解説】

バイクに乗る楽しみのひとつに、「マフラー交換による走りとサウンドの変化」があります。純正でも十分な性能を発揮しますが、よりスポーティな加速感や独特の排気音を楽しみたいライダーにとって、社外マフラーは魅力的な選択肢です。とはいえ、マフラーにはスリップオンやフルエキゾースト、素材や用途の違いなど多くの種類があり、初めて選ぶ人にとっては迷いどころ。この記事では、バイク用マフラーの基本的な種類から素材の特徴、公道用とサーキット用の違い、さらに人気メーカーまで詳しく解説します。あなたの愛車にぴったりの一本を見つける参考にしてください。

スリップオンとフルエキの違い

 (33104)

マフラー選びでまず押さえておきたいのが、スリップオンとフルエキゾーストの違いです。スリップオンマフラーは純正エキパイを残し、サイレンサー部分だけを交換するタイプ。比較的手軽で取り付けも容易なため、初心者のライダーにも人気です。音質やルックスを大きく変えつつ、車検対応のモデルも多いのが特徴です。

一方、フルエキゾーストマフラーはエキパイからサイレンサーまでをまるごと交換するタイプ。排気効率の改善によってパワーアップが期待でき、よりレーシーな走りを楽しめます。ただし価格が高く、装着には専門的な知識が必要な場合もあります。サーキット走行を視野に入れるならフルエキがおすすめですが、公道メインで気軽にカスタムしたいならスリップオンが現実的な選択肢といえるでしょう。
スリップオンマフラーがおすすめな人
・初めてマフラー交換に挑戦する初心者ライダー
・比較的手頃な価格でカスタムを楽しみたい人
・車検対応モデルを選び、公道走行を安心して楽しみたい人
・音質やルックスを大きく変えたいが、性能は純正で十分と考える人
・工具や専門知識が少なくても、手軽に取り付けたい人
フルエキゾーストマフラーがおすすめな人
・サーキット走行やスポーツ走行を本格的に楽しみたいライダー
・排気効率を改善し、パワーアップや軽量化を重視する人
・高価格帯でも性能を優先するハイエンド志向の人
・専門知識やショップでの取り付けに抵抗がない人
・公道だけでなく、走行会やレースへの参加も視野に入れている人

素材ごとの特徴(カーボン/ステンレス/チタン/アルミ/スチール)

マフラー選びではデザインや価格に目が行きがちですが、実は「素材」が走りや耐久性、さらには音質まで大きく左右します。ここでは代表的な5種類の素材の特徴を整理し、それぞれがどんなライダーに向いているのかを紹介します。

スチール:伝統的で重厚感あるクラシックスタイル

 (33105)

スチール製マフラーは、クラシックバイクや旧車に特にマッチする昔ながらの素材です。独特の重量感が走行時に落ち着いた安定感をもたらし、深みのある低音サウンドを響かせます。ただし、鉄は錆に弱いため、雨天や湿気の多い環境では防錆処理やガレージ保管が欠かせません。手間はかかりますが、その分「愛車を育てる」感覚を楽しめるのも魅力です。価格は比較的リーズナブルで、クラシカルな雰囲気を求めるライダーに好まれる素材です。

アルミ:扱いやすさとコストのバランスに優れる

 (33106)

アルミ製マフラーは軽さと価格の手ごろさが大きな魅力。オフロードモデルに多用されるように、軽快な取り回しを重視するライダーに人気があります。音はやや高音寄りで歯切れの良い響きが特徴。ただし耐熱性や耐食性はステンレスやチタンに劣るため、表面のくすみや変色を防ぐには定期的なメンテナンスが必要です。コスパを重視し、軽快なライディングフィールを求める人におすすめの素材です。

ステンレス:耐久性と見た目のバランスが良い定番

 (33107)

最も普及しているのがステンレス製マフラー。錆びにくく丈夫で、日常使いからツーリングまで安心して使える実用的な素材です。重量は軽量素材に劣るものの、強度が高くハードな走りにも対応可能。焼け色がつきやすい特性を「味」として楽しむ人も多いです。見た目も鏡面仕上げやマット仕上げなどバリエーションが豊富で、幅広い車種やスタイルに合わせやすいのも魅力。音質は落ち着いた低音系で、派手さよりも安定感を求めるライダーに適しています。

カーボン:軽さとデザイン性を兼ね備えた上級素材

 (33108)

カーボン製マフラーは、レーシングシーンでも採用されるほどの軽量性と高強度が魅力。黒地に浮かぶ織り目が美しく、スポーティかつ高級感ある外観はスーパースポーツやストリート系に最適です。音はシャープで軽快、エンジン音をクリアに際立たせてくれます。ただし高温に弱く、ハードな走行を繰り返すと劣化や損傷が起こることもあるため注意が必要。価格は高めですが、見た目と走りを両立したいライダーに選ばれる素材です。

チタン:軽量かつ高耐久のプレミアムチョイス

 (33109)

高級素材として知られるチタンは、航空機にも使われるほどの強度と耐熱性を誇ります。走行熱によって現れる独特の焼け色は美しく、所有欲を満たすデザイン性も大きな魅力です。重量は非常に軽く、取り回しや加速性能の向上に直結。音質は太く締まりのある中低音が特徴で、長時間乗っても疲れにくい心地よさを備えています。価格帯は最も高価ですが、耐久性・性能・見た目すべてを妥協したくないライダーに最適な素材です。

公道用とサーキット用の違い

 (33110)

マフラーを選ぶ際に絶対に意識すべきなのが、「公道用」か「サーキット用」かという点です。公道用マフラーは排気音や排ガス規制をクリアした政府認証モデルで、車検にも適合します。安心して長く使いたいライダーにはこちらが必須です。
一方で、サーキット専用マフラーは規制を超える爆音や高い排気効率を誇り、レースや走行会で真価を発揮します。ただし、公道での使用は法律違反となり、罰則を受ける可能性もあるため注意が必要。サーキット用を検討する場合は、愛車を走らせる環境をしっかり確認してから購入しましょう。

マフラーの車検対応とJMCA認証の重要性

 (33111)

車検対応マフラーとは
マフラーが「車検対応」とされるのは、騒音規制や排ガス規制など国の保安基準をクリアしている場合です。基準を超える音量や排気漏れがあると車検に通らず、整備不良として違反の対象になることもあります。特に2010年4月以降生産の車両では、JMCA認証マフラーでないと車検に通らないため注意が必要です。

JMCA認証とは
JMCA(全国二輪車用品連合会)が発行する第三者認証で、騒音・排ガス試験をクリアした証。サイレンサーにプレートや刻印で表示され、これがあるマフラーは正式に車検対応品として認められています。

排ガス規制とガスレポ
2007年の排ガス規制以降、特定のバイクでは排出ガス試験結果証明書(ガスレポ)が必要です。
条件は以下のとおりです。

・1999年以降の排ガス規制対象バイク
・ノーマルで触媒装置が付いている
・社外マフラーに交換している


スリップオンなどで触媒を残している場合は不要ですが、一部サイレンサー内蔵型は注意が必要です。JMCA認証品なら必要な場合、ガスレポが同梱されています。

JMCA認証マフラーのメリット
・車検適合が明確で安心
・音量が適正で周囲への配慮ができる
・警察チェックや保険会社とのトラブル回避に有効
・近年強化された「加速走行騒音規制」にも対応


非認証マフラーについて
1999年以前の一部車両なら、基準値内であればJMCA認証がなくても車検に通る場合があります。ただし例外的で、証明書の提出など手間やリスクが大きいため、一般的にはおすすめできません。

人気のマフラーメーカー6選!

熟練ライダーに支持され続ける、王道のマフラーブランドを6社ピックアップ。マフラー選びの参考にどうぞ。

ヨシムラ(YOSHIMURA)

 (33119)

日本を代表する老舗メーカーで、鈴鹿8耐や全日本ロードレースで数々の勝利を収めてきた名門です。精密な加工技術と徹底した品質管理により、耐久性と性能を兼ね備えたマフラーを提供。特に人気の 「R-11」シリーズは、独特の三角断面デザインとシャープな排気音が特徴で、スポーツライディングを楽しむライダーに絶大な支持を得ています。ツーリング派には音量を抑えつつもヨシムラらしい力強いトルク感を味わえる 「HEPTA FORCE」がおすすめ。国内外で信頼性の高いブランドとして、初心者からベテランまで幅広いライダーに愛され続けています。

アクラポビッチ(AKRAPOVIC)

 (33115)

MotoGPやWSBKといった世界最高峰のレースで活躍するスロベニア発のプレミアムブランド。軽量チタンやカーボンを駆使したマフラーは、卓越した排気効率と洗練されたサウンドで世界中のライダーを魅了しています。代表的な「Evolution Line」は、徹底した軽量化とパワーアップを実現するフルエキシリーズで、サーキット志向のライダーに最適。一方、公道でも楽しめる 「Slip-On Line」は、取り付けのしやすさと迫力あるサウンドが魅力で、日常からスポーツ走行まで幅広く対応します。デザイン性の高さも評価され、愛車のルックスを大きく引き立ててくれるメーカーです。

ビートジャパン(BEET JAPAN)

 (33116)

カワサキを中心に全日本ロードレースを支えてきた実績を持つ国産メーカー。熟練の技術力で製作されるマフラーは性能だけでなく美しい仕上がりでも知られています。特に人気の 「ナサート・エボリューション」は、軽量チタン製でスポーティかつ官能的なサウンドを生み出し、スポーツバイクの性能を存分に引き出す逸品です。また、コストと性能のバランスが優れた「ナサートR」は、ツーリング派にも扱いやすく人気を集めています。国産バイクとの相性の良さと高い信頼性で、多くのライダーに選ばれるメーカーです。

モリワキ(MORIWAKI)

 (33117)

ホンダのレース活動を長年支えてきた名門で、全日本ロードレースや鈴鹿8耐などでも数々の実績を誇ります。マフラーの代名詞ともいえる 「ZERO」シリーズは、素材ごとに多彩なバリエーションが揃い、街乗りからサーキットまで幅広く対応可能。さらに、クラシカルなスタイルを愛するライダーには モリワキショート管が根強い人気を誇り、迫力ある音とレトロな雰囲気でファンを魅了します。レース直系の技術をフィードバックした製品は、性能・品質・デザインの三拍子が揃い、安心して選べる国産メーカーとして支持されています。

SP忠男(SP TADAO)

 (33118)

「気持ちイー!」をテーマに掲げ、筑波サーキットでの徹底したテストを経て開発される独自のマフラーが魅力。特に「PURE SPORT」シリーズは、中低速域での扱いやすさを重視し、街乗りやツーリングで快適な走りを実現します。また、燃費や出力特性をバランスよく向上させる 「POWER BOX」シリーズは、初心者からベテランまで幅広く人気。過度に派手さを求めず、実用性と快適性を徹底的に追求している点が特徴です。サーキットで培った技術を日常のライディングに還元し、長時間のツーリングでも疲れにくい走りを提供するマフラーメーカーです。

ツルノテクニカルサービス(TTS)

 (33127)

日本のレースシーンで高い支持を集める注目ブランドで、特にサーキット走行向けマフラーの性能に定評があります。全日本ロードレース選手権をはじめとする国内レースで培ったノウハウを市販モデルに反映し、排気効率を徹底的に追求した設計によって、鋭いレスポンスと迫力あるサウンドを実現しています。

TTSを代表するモデル「デュアルレーシングマフラー」は、軽量チタンを採用したレース専用設計。存在感抜群の2本出しサイレンサーと高いパフォーマンスは、ST250クラスやJP250クラスで勝利を目指すために開発された一級品です。

国産ならではの確かな信頼性と、走りに直結する高性能を兼ね備えたTTSレーシングは、走りにこだわるライダーに強くおすすめできるメーカーです。
【ナップス専売】 TWIN FULL EX 3D-EN...

【ナップス専売】 TWIN FULL EX 3D-END フルエキゾーストマフラー チタン2本出し X-ADV 21-23

TTSよりナップス専売のX-ADV用マフラーが登場!

ホンダX-ADV(21〜23年式)オーナー必見のプレミアムカスタムパーツが、ナップス専売の「TWIN FULL EX 3D-END フルエキゾーストマフラー」です。サイレンサーにはチタンを採用し、純正よりも約1.1kgの軽量化を実現。さらに職人が一本ずつ丁寧に焼き色を施した美しいチタンパイプは、見る者を魅了する高級感あふれる仕上がりです。

政府認証モデルとして排出ガス規制・加速走行騒音規制をクリアしており、公道でも安心して使用可能。加速騒音は80db、近接排気騒音85dbと適正な音量に調整されており、迫力あるサウンドを楽しみつつ周囲への配慮も怠りません。

また、2本出しのレイアウトによる独特の存在感は、X-ADVの冒険的なスタイルをより一層際立たせます。オイル交換やフィルター交換、センタースタンドの使用にも対応しており、実用性を損なわない点も魅力。自動車排出ガス試験結果証明書や専用リアアンダーカウルも同梱され、安心して取り付けが可能です。

まとめ

マフラー交換は、見た目や音だけでなくバイクの性能や走行フィールにも大きな影響を与えるカスタムです。スリップオンかフルエキか、どの素材を選ぶか、公道用かサーキット用かをしっかり理解することで、後悔のない選択ができます。また、ヨシムラやアクラポビッチといった信頼できるメーカーを選べば、品質面でも安心です。あなたのライディングスタイルに合ったマフラーを選び、より豊かなバイクライフを楽しんでください。