バイクのブレーキフルードの交換時期はいつ?交換方法や必要な道具も解説!

バイクのメンテナンスの基本について振り返る本シリーズ。今回は『ブレーキフルード編』です。油圧ブレーキには欠かせない重要な液体の種類や交換時期、DIYでの交換のやり方まで詳しくご紹介します!
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ブレーキフルードとは?

まずは油圧ブレーキの仕組みを簡単に説明します。
手元のマスターシリンダーからブレーキキャリパーまではブレーキホースで繋がっており、その中に液体のブレーキフルードが入っています。
ブレーキレバーを握ることでシリンダー内のフルードに圧力が加わり、その圧力がキャリパーに伝わってブレーキパッドが押し出される仕組みになっています。
このようにブレーキレバーを握った力をキャリパーに伝えるのがブレーキフルードの重要な役割です。

ブレーキフルードの交換は必要?

ブレーキフルードは空気中の水分を吸収する性質があり、水分を吸収したフルードは性能が劣化してしまいます。
ブレーキフルードは-50度でも凍結せず200度の熱でも沸騰しない液体ですが、水分を吸収することで沸点が下がり気泡が発生しやすくなります。
フルード内に気泡が発生するとブレーキは効き辛くなり、ひどい場合にはフルードが沸騰することでブレーキが全く効かなくなる“ペーパーロック現象”が発生してしまいます。
このように、フルードの劣化は安全に直結しますから、適宜交換する必要があります。

ブレーキフルードの交換時期やタイミングはいつ?

ブレーキフルードの交換のタイミングですが、走行距離にして1万~2万㎞、期間にして1年~2年程度を目安に行うと良いでしょう。車検があるバイクなら、車検のタイミングで必ず交換しておきましょう。

また、フルードは劣化すると黄金色から徐々に黒っぽく濁ってゆきます。マスターシリンダーにはフルードの色を確認する窓が付いているものも多いので、定期的に確認してあまりにも劣化しているようなら交換しましょう。

DOTとは?ブレーキフルードの規格について

ブレーキフルード DOT-4(100mL)|株式会社デイトナ (29255)

ブレーキフルードはDOT規格というアメリカ自動車安全基準により性能基準が設けられています。
規格はDOT3やDOT4のように表示され、末尾の数字が大きいほど高性能になります。
ドライ沸点は新品状態での性能、ウェット沸点は水分を3.7%含んだ時の性能です。

【グリコールエーテル系】
DOT3 → ドライ沸点 205℃以上/ウェット沸点 140℃以上
DOT4 → ドライ沸点 230℃以上/ウェット沸点 155℃以上
DOT5.1 → ドライ沸点 260℃以上/ウェット沸点 180℃以上

【シリコン系】
DOT5 → ドライ沸点 260℃以上/ウェット沸点 180℃以上

ブレーキフルードを交換する場合は、指定されたDOT規格のモノを使用します。その際、DOT3にDOT4を使用する上位互換は可能ですが、指定より性能の低いものを使用するのはNGです。
また、DOT5は主成分がシリコンになり、他のグリコールエーテル系のフルードとは互換性がありません。

バイクのブレーキフルード交換方法と必要な道具

ワンウェイバルブセット|株式会社デイトナ (29257)

続いてはブレーキフルードの交換方法について解説します。
まずは必要な道具の紹介です。

①メガネレンチ
ブレーキキャリパーのフルードを排出するボルトを緩めるのに使用します。
8mmまたは10mmのサイズを使用します。

②プラスドライバー
マスターシリンダーのリザーバータンクのふたを開けるのに使用します。

③透明ホース&ワンウェイバルブ
古いブレーキフルードを排出するのに使います。
別々でも購入可能ですが、セットになっているモノが便利です。

④古いフルードを捨てる容器
空のペットボトルでOK。

⑤新しいフルード
メーカー指定のDOT規格のものを使用します。

ブレーキフルードの交換手順

ワンウェイバルブセット|株式会社デイトナ (29256)

①車体を水平にする
センタースタンドかメンテナンススタンドを使用します。

②リザーバータンクのふたを外す
フルードが車体につかないよう、タンクの周りをウエスなどで養生しましょう。

③リザーバータンクの内蓋「ダイヤフラム」を外す
タンク内のゴムのふたも外します。

④キャリパーのブリードスクリューにホースを付ける
キャリパーのブリードスクリューにメガネレンチをかけてゴムキャップを外し、ワンウェイバルブ付きのホースを取り付けます。

⑤ブリードスクリューを緩める
メガネレンチで半回転ほど緩めます。

⑥ブレーキレバーを何回も握り古いフルードと入れ替える
ブレーキレバーを握る・離すを繰り返すと、古いフルードがキャリパーのホースから排出されます。リザーバータンク内のフルードが半分くらいになったら新しいフルードを注ぎ足します。
※この際にリザーバータンクが空になるとエアが入り“エア抜き”という作業が必要になるので注意しましょう。
ゴムホースから気泡が出なくなり、排出されるフルードの色が透明になれば入れ替え完了です。

⑦ブリードスクリューを締める
ブリードスクリューを締めてホースを抜き、ゴムキャップを戻します。

⑧フルードを規定量入れリザーバータンクの蓋をする
リザーバータンクに規定量までフルードを入れて、ダイヤフラムと蓋を戻し完了です。

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