バイクの正しい冬季保管方法を解説!冬眠前にやるべき整備とポイント

関東も冷え込む日が増えて、北の各地では初雪も観測されましたね。
そろそろシーズンオフにして、来年に向けて愛車の整備や保管の準備を行うオーナーも多いでしょう。
そこで今回は“バイクの正しい冬季保管方法”について解説します!
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冬季保管前にオイル交換をしておこう

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前回のオイル交換から期間が空いている場合には、冬眠前に交換しておくと良いでしょう。
長期保管中はエンジン内のオイルが撹拌(かくはん)されず、オイルの汚れが沈殿して固着してしまうリスクがあるからです。
中には、保管前の交換には安価なオイルを使用し、冬眠明けの走行前にいつものオイルに交換するこだわり派もいますが、そこまでせずともエンジンの状態は十分保てます。

無溶剤のシリコンスプレーで外装やゴム部品を保護しよう

保管中に結露などの水分で錆が発生しないように、シリコンスプレーなどで外装類を保護しておきましょう。タンクなど塗装されている箇所は錆びの心配はありませんが、ミラー類や各種ステーなどの金属部分は錆が発生しやすい箇所です。

シリコンスプレーには『溶剤タイプ』『無溶剤タイプ』の2種類がありますが、必ず『無溶剤タイプ』を使用しましょう。溶剤タイプを使用するとゴム部品などにダメージを与えてしまう可能性があります。

また、シリコンスプレーを使用する際はウエスなどに吹き付けてから薄めに塗布するようにし、飛沫がブレーキやタイヤなどに付着しないように注意しましょう。

金属同様にゴム部品も乾燥する冬に劣化しやすいので、一緒に保護しておくと硬化やひび割れを防ぐのに役立ちます。専用のラバープロテクトなどの商品もありますが、溶剤が入っているモノは逆効果になる場合もあるので、無溶剤のシリコンスプレーで十分です。

KURE CRCシリコンスプレー無溶剤タイプ 1046

660
無溶剤タイプなので、金属のほか、ゴム、プラスチック、木、紙などにも使用できます。潤滑だけでなく、離型、ツヤ出し、防水効果もあります。

ガソリン満タン&燃料添加剤でタンク内の錆びを防ごう!

※キャップ周辺の汚れも冬眠前にキレイにしておこう。

※キャップ周辺の汚れも冬眠前にキレイにしておこう。

ガソリンを満タンにしておけばタンク内に発生する結露の量を減らせるため、水分の混入による錆びの発生やガソリンの劣化を軽減することが出来ます。
また、水抜き剤やガソリンの酸化を防止する燃料添加材を入れておくと、より効果的です。

おすすめの燃料添加剤

MOTOREX フューエルスタビライザー 97834

1,980
長期間バイクを使用しない時にガソリンの酸化、劣化を防ぎます。
・注入後、効果は約1年間持続します。
・2サイクル、4サイクル両方のガソリンエンジンに対応します。
・触媒装置への影響はありません。

MOTOREX システムガード(ガソリンタンク水抜き剤) 125ML 97835

1,980
・ガソリンタンク内の水分を除去し、クリーンで省燃費、けむりの少ない燃焼を確保します。
・2サイクル、4サイクル双方のガソリンエンジンに対応します。
・触媒装置への影響はありません。
・季節の変わり毎に注入するのがおすすめです。

キャブレター内のガソリンも抜いて燃料コックはかならずOFF!

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キャブ車の場合は、キャブレター内部に残ったガソリンを抜いておくのも忘れないようにしましょう。ガソリンが残ったままだと劣化して、ジェット類を詰まらせたり故障の原因になります。

キャブレター内のガソリンの抜き方は、燃料コックをOFFにしてドレンボルトを緩めればOK。負圧式コックの場合にはエンジンを停止して、PRI(プライマリー)以外の位置にしドレンボルトを緩めます。

バッテリー端子は外すかトリクル充電器を活用しよう

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最近のバイクはイグニッションOFFの状態でもイモビライザーなどに電気を使用していることが多く、長期間保管しておくとバッテリーが上がってしまいます。そのため、冬季保管中はバッテリーのマイナス端子を外しておくか、車両から取り外して保管しておきましょう。

バッテリー端子を外す場合は必ずマイナス端子→プラス端子の順番で、装着する場合はその逆です。順番を間違うとショートの原因になるので覚えておきましょう。

また、バッテリーの充電器は、満充電後も自然放電を補う分だけの充電を続けてくれる『トリクル充電器』が便利です。これなら車両に繋ぎっぱなしで使用できるので、イモビライザーやアラームなどの盗難防止装置も活かしたまま保管が可能です。

常に充電したままにしておくのに抵抗がある人は、充電完了後は充電をストップし電圧が低下すると自動で充電を開始してくれるフロート式の充電器がオススメです。

一般的な鉛バッテリーの寿命は3年ほどなので、使用年数が超えているようであれば冬眠明けに交換も検討しましょう。

おすすめのトリクル式/フロート式充電器

トリクル式充電器:DAYTONA バイク用維持充電器+ワニ口クリップ付き配線セット 68586

13,200
バッテリーの自己放電を補いながら、常に最適な電池容量を維持させます。
※車載状態でバッテリーへ充電する際には、車体電装系へ影響が出る場合があります。必ず、車両のマニュアルやサービスデータ等を確認の上でご利用ください。

フロート式充電器:DAYTONA スイッチングバッテリーチャージャー12V 95027【回復微弱充電器】

8,250
12Vバッテリー搭載車専用品。
バッテリーの状態を判断し自動で最適な充電を実行。
充電完了後で自動でストップ、電圧が低下すると自動で充電再開。
バッテリーの劣化を軽減するサルフェーション除去機能付き。
本体はIP65相当の防滴・防塵仕様。

タイヤの空気圧を規定値にしておこう!窒素ガスだとなお良し

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長期保管中はタイヤの空気が自然に抜けやすくなるので、保管前に規定値まで入れておきましょう。
空気圧が低下しにくい窒素ガスを入れるのも有効ですが、1か月ごとにチェックすれば普通の空気でまったく問題ありません。

メンテナンススタンドで前後タイヤを浮かせれば変形を防げる

バイクを動かさず長期保管していると、前後タイヤの接地部分に車重がかかり続け接地面が変形する「フラットスポット」が発生します。
これを防ぐには定期的にバイクを動かしてタイヤの接地面をずらすか、メンテナンススタンドを使用してタイヤを浮かした状態で保管すると良いでしょう。

屋外保管ならバイクカバーは良い物を使おう!

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バイクを屋外保管する場合バクカバーは必須!カバーを使用しないと紫外線や風雨などにより、バイクを一気に劣化させてしまいます。

また、あまりに安いカバーは内部にこもった湿気の排出などを考慮してないモノも多く、錆びの発生につながる場合も……。屋外保管しているオーナーには少し高くても、しっかりした良いカバーを使用することをオススメします。

長期保管時はたまにカバーを外して、車体もカバーも日干しして湿気を逃がしてあげましょう。

たまにエンジンをかけた方が良いの? → 場合によります。

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冬季保管中もたまにエンジンをかけた方が良いという説もありますが、逆効果になる場合もあるので注意が必要です。

定期的にエンジンをかける目的は、エンジン内にオイルを循環させたり、可動部を動かしてコンディションを保つ効果を期待してのこと。
ところが、エンジンをかける時間が短かったり回転を上げられないと、十分な油圧がかけられず潤滑不足になったり、余計な結露を発生させてしまう結果になりかねません。

住宅地などで長時間エンジンをかけたままに出来ない、スロットルをひねって回転を上げらないといった場合には、エンジン始動しないのも手です。

愛車の冬眠準備はナップスへ!

今回はバイクを長期保管する場合に気を付けたいポイントを解説しました。
冬の期間にしっかり整備を行って、暖かい春に気持ちよく走り出せる準備をしておきましょう!

ナップス店とナップスオンラインショップでは、整備に使用する油脂類や工具類も豊富に揃えています。冬季保管の準備にぜひ一度お越しください!