バイクが故障する原因とは?症状別まとめ
バイクは四輪車とは構造や乗り方が違い、別の楽しみ方を味わえる乗り物です。ところがその構造ゆえに、故障しやすい乗り物でもあります。というのは、バイクはむき出しになっている部分が多く、外部からの影響を受けやすいからです。バイクを楽しむためには故障の原因を知り、上手く付き合っていくのが大事です。そこでこの記事では、バイクが故障する原因を症状別にご紹介していきます。
燃費が悪化した
燃費の悪化は、大きな故障の前触れと考えておくとよいでしょう。というのは燃費の悪化にはメンテナンス不足や、パーツの不具合が影響していることが多いからです。普段から燃費がどれくらいなのか意識しておき、悪化したらその原因を探るのが大事です。
タイヤの空気圧が低い
タイヤの空気圧が低いと燃費が悪くなってしまいます。また、余計な振動を生じるので乗り心地がよくありません。ガソリンスタンドの中には、無料で空気入れを貸し出しているところがあります。そういったものを利用し、こまめに空気圧をチェックするようにしましょう。
駆動系のパーツが摩耗している
ドライブベルトやチェーンなどといった駆動系のパーツが摩耗していると、ロスが生じるので燃費が悪化します。定期的に点検し、劣化や摩耗していたら交換することをおすすめします。
エアクリーナーにゴミが詰まっている
エアクリーナーにはゴミが詰まりやすく、燃費の悪化を招きます。普段から清掃し、ゴミを取り除くのが賢明です。
エンジンがかかりにくい
バイクを動かす際に気になるものに、エンジンがかかりにくいという症状があります。完全にエンジンがかからなくなってしまう前に、次のようなことが起きていないか確かめましょう。
バッテリーが劣化している
セルモーターを回すためには十分な電圧が必要です。電圧はバッテリーの状態によって変わるので、劣化しているとエンジンはかかりにくくなってしまいます。特に寒い時期には、劣化したバッテリーではなかなかエンジンがかかりません。バッテリーを充電するか、劣化が激しい場合には交換しましょう。
キャブレーターが詰まっている
キャブレーターの詰まりも、エンジンがかかりにくい要因の1つです。キャブレーターは様々なパーツでできており、それらにサビが発生すると詰まる原因となります。また、劣化したガソリンがキャブレーターを詰まらせることも。完全にキャブレーターが故障する前に、オーバーホールしておくのが大事です。
ガソリンタンク内に水が入り込んでいる
ガソリンタンクは基本的に密閉されているものですが、タンクキャップの劣化やタンク内の結露により、内部のガソリンに水が混入することがあります。ガソリンに水などの不純物が混ざるとエンジンはかかりにくくなります。定期的に水抜き剤を使用することで、ある程度予防することが可能です。
吸排気がスムーズではない
吸気のためのエアクリーナーや、排気のためのマフラーに異物が溜まっていると吸排気がスムーズではなくなります。吸排気がスムーズにいかないとエンジンはなかなかかかりません。エアクリーナーの埃や、マフラーのカーボンは清掃して取り除いておきましょう。
エンジンがからない
基本的なことではありますが、燃料が不足していたりキルスイッチがOFFになっていたりするとエンジンはかかりません。バイクによっては、サイドスタンドのしまい忘れが原因となることも。これらの点をチェックしてもエンジンがかからない場合は、次のような故障が原因となっていると考えられます。
バッテリーが上がってしまった
バッテリーが上がる原因としてはライトなどの消し忘れや、長期間バイクに乗らなかったことなどが挙げられます。また、漏電していてもバッテリーは上がります。バッテリーが上がった場合にはキックや押しがけでエンジンを始動させるか、他のバイクや車のバッテリーとブースターケーブルを繋いで充電させてもらいましょう。
CDIが故障している
CDIとは、バイクを始動させるための点火装置の1つです。点火のタイミングを制御するためのもので、これが故障していてはエンジンがかかりませんし、エンジンが突然停止してしまうこともあります。走行中にパワー不足が感じられるようなら、CDIの劣化が考えられます。完全に故障する前に、点検に出すことをおすすめします。
スパークプラグが正常に作動していない
スパークプラグの電極が溶けたり消耗したりすると、正常には作動しなくなります。劣化したスパークプラグは交換する必要があります。
オルタネーターが故障している
オルタネーター(ジェネレーター)は走行中に、バッテリーを充電するための装置です。オルタネーターが故障するとバッテリーが充電されないため、バイクを動かせなくなってしまいます。オルタネーターが故障した場合は修理が必要です。
セルモーターやキルスイッチが故障した
セルモーターが故障していてはエンジンがかかりませんし、キルスイッチが故障するとたとえONの状態にしたとしてもエンジンは始動しません。またセルモーターやキルスイッチ自体の故障の他に、配線や接触の不良も考えられます。
ヒューズが切れた
メインヒューズが切れていた場合は、予備のヒューズと交換すればかかることがあります。とはいえヒューズが切れるのには理由があり、その原因が特定されないままでは、また切れてしまう可能性が残ります。
エンジンが焼き付いた
エンジンオイルが劣化したり不足したりするとオイルの粘度が均一ではなくなり、エンジンが焼き付いてしまいます。エンジンオイルやフィルターは、定期的に交換しておくのが基本です。また、オーバーヒートによって焼き付くことも。エンジンが焼き付くとオーバーホールしなくてはならなくなりますし、最悪の場合にはエンジンごと交換する必要が生じます。
マフラーから白煙が出る
マフラーから白煙が出た場合、ただの水蒸気なら一時期的なものなので問題はありませんが、白煙がとまらないときには放置してはいけません。なぜならそれは「オイル上がり」や「オイル下がり」が原因かもしれないからです。
ピストンリングが摩耗するとオイル上がりが発生しますし、吸気バルブシステムに隙間が生じるとオイル下がりを引き起こすことがあります。どちらも添加剤を入れたりオイルを継ぎ足したりすることで対処できますが、効果は一時的です。
そのままにしておくと、ピストンリングなどのエンジンパーツを交換しなければならなくなります。早めにオイルを交換し、点検してもらいましょう。
ピストンリングが摩耗するとオイル上がりが発生しますし、吸気バルブシステムに隙間が生じるとオイル下がりを引き起こすことがあります。どちらも添加剤を入れたりオイルを継ぎ足したりすることで対処できますが、効果は一時的です。
そのままにしておくと、ピストンリングなどのエンジンパーツを交換しなければならなくなります。早めにオイルを交換し、点検してもらいましょう。
エンジンから異音がする
エンジンは、バイクの中でも最も重要なものの1つです。エンジンから異音がする場合、冷却水が少ないようなら「オーバーヒート」が考えられます。
また、ピストンリングやタイミングチェーン、タペットなどといった「パーツの摩耗や破損や劣化」が原因となることも。冷却水を補充しても異音が解消されなかったり、また異音がするようになったりした場合には「エンジンの焼き付き」の可能性が出てきます。どの原因にしても、エンジンから異音がするようなら早めに点検に出すのが肝心です。
また、ピストンリングやタイミングチェーン、タペットなどといった「パーツの摩耗や破損や劣化」が原因となることも。冷却水を補充しても異音が解消されなかったり、また異音がするようになったりした場合には「エンジンの焼き付き」の可能性が出てきます。どの原因にしても、エンジンから異音がするようなら早めに点検に出すのが肝心です。
シフトが入りにくい
シフトが入りにくくなる原因としては、主に次の3つが考えられます。
クラッチレバーの劣化や調整ミス
クラッチレバーが劣化するとシフトが入りにくくなります。また、クラッチの遊びの調整を間違えた場合も同様です。クラッチを多用する乗り方はレバーの劣化を招くのでなるべく避け、遊びの調整はしっかりと行うのが大事です。
ワイヤーがサビたり伸びたりしている
ワイヤーのサビや伸びには注意が必要です。というのは、クラッチが正常に作動しなくなったり、ワイヤーが切れてしまったりすることがあるからです。高速走行をする予定がある場合には特に気をつけましょう。クラッチが正しく機能しないと、転倒する危険性が高まります。
シフト可動部の潤滑油が切れた
シフト可動部の潤滑油が切れると、ベアリングが正常に作動しなくなる可能性が生じます。ベアリングの動きをよくするためには、グリスや潤滑スプレーを使うとよいでしょう。
ブレーキの効きが悪い・効かない
ブレーキは安全面で、けっして揺るがせにはできないポイントです。
ブレーキパッドが摩耗している
ブレーキパッドが摩耗して厚さが足らなくなると、ブレーキの効きが悪くなります。効きが悪くなる前に交換するためには、定期的な点検が欠かせません。
キャリパーピストンが固着している
キャリパーピストンというのは、ブレーキパッドを押さえるためのパーツです。このピストンが固着するとパッドを押さえることができなくなるので、ブレーキはあまり効きません。また、場合によっては常にブレーキがかかった状態になることも。どちらも危険なので、早めに点検してもらいましょう。
マスターシリンダーがエアを噛んでいる
油圧ブレーキの場合、マスターシリンダーにエアが入るとエアを噛んだ状態となり、油圧の機能低下を招きます。ブレーキの効きが悪くなるので、エア抜きしてもらう必要があります。
ハンドルが揺れる
ハンドルは快適な走行のためにも、また安全な走行のためにも重要な役目を果たす部分です。ハンドルが揺れる主な原因には次の3つがあります。
タイヤの空気圧が低くなっている
ハンドルは、タイヤの空気圧の影響を受けやすい部分です。空気圧が低いとハンドルがぶれますし、右折や左折をする際に不安定になります。空気圧は燃費にも関わってくるので、気になったらチェックするようにしましょう。
ナットが緩んでいる
ハンドルの軸の部分のナット(ステムナット)が緩んでいると、走行時に振動が発生します。緩んでいるようなら締め直す必要がありますが、規定値よりも締め過ぎるのは控えましょう。それによりベアリングが摩耗することがありますし、ハンドルの動きが硬くなることもあるからです。
転倒によりハンドルなどが曲がってしまった
転倒によりハンドルや、フロントフォーク、ディスクローターなどが曲がったり変形したりすることがあります。ハンドルが曲がると左右のバランスが悪くなりますし、フロントフォークが曲がるとまっすぐに走らないことがあるので危険です。また、ディスクローターが変形すると振動の原因となります。転倒した場合には、曲がりや変形がないかしっかりと確認するのが大事です。
故障を予防してバイク生活を満喫しよう
バイクは振動や雨の影響を受けやすく、定期的なメンテナンスの欠かせない乗り物です。また、転倒の衝撃でパーツが変形することもあり、取り扱いには細心の注意が必要です。故障を察知し、大きな症状が現れる前に対処するのが、バイクを楽しむための基本だと言えるでしょう。今回の記事を参考にして故障を予防し、楽しいバイク生活を送りましょう。