もう迷わない!バイク用エンジンオイルの選び方【2スト・4スト】

バイクカスタム
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エンジンオイルはオートバイが本来持つ性能を維持するうえで、非常に重要な要素のひとつといえるでしょう。
オイルを定期的に交換することで、エンジンの性能の低下や劣化を軽減することが出来ます。

今回はあなたの愛車に最適なオイルの選び方について、丁寧に解説いたします!

そもそもエンジンオイルの役割は?

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エンジンオイルには大きく5つの役割があります。

・潤滑
エンジン内部は様々な金属パーツが激しくこすれ合うため、摩耗や焼き付きを軽減するためにエンジンオイルで潤滑します。

・密封
ピストンとシリンダーの間にはわずかに隙間があります。その隙間をオイルで密封することで気密性を高めパワーロスを防ぎます。

・冷却
燃焼、爆発を繰り返すエンジン内部は非常に高温になります。エンジンオイルはその熱を吸収し、オイルパンやラジエーターなどで冷却されることで、発生する熱を冷却する働きがあります。

・洗浄
エンジン内部のパーツがこすれて出たゴミ(スラッジ)を、エンジンオイルは包み込んで一か所に溜まらないようにする働きもします。そのためオイルはどんどん汚れていくので定期的な交換が必要になります。

・防錆
エンジン内部は外との温度差によって水分が発生するため、実は錆びが発生しやすい環境です。
エンジンオイルは錆びを予防し、エンジンの寿命と機能を長持ちさせる役割があります。

あなたの愛車のエンジンは2stそれとも4st?

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オートバイのエンジンには4ストロークエンジン2ストロークエンジンの2種類があり、それぞれ入れるオイルの種類も変わります。

2ストロークエンジンは燃料と共にオイルも燃焼するため、定期的にオイルを補充する必要があります。

4ストロークエンジンのオイルは燃焼はしませんが、徐々に劣化していくので定期的に交換する必要があります。

それぞれ使用するオイルの種類が異なるので、専用のオイルを選ぶ必要があります。

エンジンオイルのJASO規格/API規格とは?

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日本自動車規格(Japanese Automobile Standards Organization)によって定められたエンジンオイルの規格を、JASO規格といいます。

・動摩擦維持指数(DFI)
・静摩擦維持特性(SFI)
・制動時間指数(STI)


上記3つの特性を計測し、オートバイの4ストロークエンジン用オイルはMA・MA1・MA2・MB​の4つに区分されています。
それぞれ特性が異なるため、MA指定のエンジンにMBのオイルを使用することはできません。

MA・・・・高い摩擦特性を持ったオイル
MA1・・・MAの摩擦特性の範囲内で粘度を低めにしたオイル
MA2・・・MAの摩擦特性の範囲で粘度を高めにしたオイル
MB・・・・摩擦特性が低くスクーターなどに使用されるオイル

2ストロークエンジン用のオイルはFA・FB・FC・FDの4つに区分されています。​

FA・・・・2サイクルエンジン用で最低限の性能を有したオイル
FB・・・・FAに比べて潤滑性、清浄性に優れたオイル
FC・・・・FBに比べて排気煙、排気系閉塞性に優れたオイルで、スモークレスタイプとも呼ばれる。
FD・・・・FCの性能に加え清浄性を高めたオイル

API規格とは?

JASOが日本の規格なのに対し、API規格は、米国石油協会(API)/アメリカ材料試験協会(ASTM)/アメリカ自動車技術者協会(SAE)が定めた規格です。

JASOが主に摩擦特性を計測するのに対し、API規格は摩耗防止性、洗浄性、せん断安定性、耐熱性など、多くの審査項目を設定しグレードが決められます。

ガソリン車は【S】が頭に付いたアルファベット2文字でグレードが表示され、2023年現在有効な規格はSJ/SL/SM/SN/SPとなっており、後者になるにつれ性能も向上します。

性能を左右するベースオイルは用途に最適なタイプを選ぼう

エンジンオイルは添加剤とベースオイルによって構成されています。
使用されるベースオイルの種類によって、エンジンオイルの性能は大きく左右されます。

オートバイ用のベースオイルには全合成油・部分合成油・鉱物油の3種類が​あり、それぞれの特徴は以下の通りです。

・全合成油
全合成油は科学的に精製することで不純物を限りなく取り除いた高品質なオイルです。
高温状態が続いても劣化しにくいことからレースなどでも使用されます。
3種類のベースオイルの中で最も高性能で高価なのが全合成油です。

・鉱物油
原油を蒸留して精製する最も古いタイプのベースオイルです。
安価ではありますが不純物が全合成油に比べて多く、揮発性やエンジンの始動性は他のオイルに比べ劣ります。
鉱物油を使用する場合は、こまめなオイル交換を心がけましょう。

・部分合成油
安価な鉱物油に高性能な全合成油をブレンドすることで、鉱物油のデメリットを補ったのが部分合成油です。
全合成油と鉱物油の中間的な性格なので、ツーリングなど一般的な使用に向いているオイルです。

SAE規格を理解して最適な粘度のオイルを選ぼう

オイルの粘度を表すSAE規格はアメリカで制定され、現在世界的にスタンダードとなった規格です。
SAE規格には下記の2つのグレード表記があります。
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・マルチグレード
現在主流のオイルで【10W-30】のように、低温時と高温時それぞれの粘度を表記しています。
【10W-30】の場合”10W”は低温時の粘度(Wはウインターの略)を表し、”30”は高温時の粘度を表します。

低温時粘度の数字が小さいほど低い温度でも使用可能で、その逆に高温時粘度の数字が大きいほど熱に対して強くなります。
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・シングルグレード
【SAE 30】のように、1つの数字で表示されるのがシングルグレードのオイルです。
対応できる温度の幅がマルチグレードに比べ狭いので、夏と冬でオイルの交換が必要です。

自分の愛車に最適な粘度の選び方は?

自分のオートバイに最適なオイル粘度を知りたい場合は、取扱説明書やサービスマニュアルで確認しましょう。

なお、日本で公道走行するオートバイの場合10W-30や10W-40で設定されている場合がほとんどですが、夏のサーキットや真冬の寒冷地など極端な気温になるシチュエーションでは、粘度を変更する必要があるかもしれません。

もうオイル選びに迷わない!

オートバイのエンジンオイルについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。

基本的にはJASO規格・ベースオイルの種類・粘度の3点に注意して選べば失敗することはありません。

色々なメーカーのオイルを試して、お気に入りのオイルを見つけるのも楽しいかもしれませんね!

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