バイクのETC費用はどのぐらい?取付料と通行料の相場を紹介

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高速道路の料金の支払方法としてすっかり定着したイメージのあるETCですが、バイクなどの二輪車でも利用することができるということを知らない人は意外と多いのではないでしょうか。

バイクにおけるETCの取付料や通行料は、自動車の場合とは異なる点も多くあるため、以下ではETCを利用するメリットとともにそれらについて見ていくことにしましょう。

ETCとは?

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バイクのETCについて触れる前に、そもそもETCとはどのようなシステムであるのかを見ておくことにしましょう。

ETCというのは、Electronic Toll Collection Systemの略語で、日本語では電子料金収受システムを意味する言葉です。

かつては、高速道路を通行する場合には、料金所で停車して係員に料金を支払う必要がありましたが、これをシステムを導入して自動化することによってスムーズに通行することができるようにしたのがETCです。

日本国内では、1997年に小田原厚木道路の小田原料金所において業務用車両を対象に試験的に導入されたのが最初で、その後2001年11月30日に一般車両向けに高速道路に利用が開始されています。

渋滞を解消するために国を挙げて積極的に導入を推進した結果、2015年時点では約7,000万台の車両がETCに対応することになりました。

なお、国内でETCを利用するためには、ユーザーがETC車載器と呼ばれる専用の機器を車両に取り付け、併せてクレジットカード会社に申請することで取得することができるETCカードを車載器に挿入することが必要となります。

バイクでETCを利用するメリットとは?

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このように、渋滞解消の起爆剤として導入されたETCですが、バイクで利用する場合のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

まず一つ目のメリットとして言えるのは、ETCで高速料金を支払うことによって金額が割安になるということです。

必ずしもすべての場合に当てはまるわけではありませんが、高速道路を運営しているNEXCOや道路公社などでは、ETCの利用を促進するために、ETCを通じて高速料金を支払う車両を対象にした様々な割引制度を用意しています。

例えば、土日や祝日には休日割引を利用することができ、本来の通行料金の30パーセント引きで高速道路を通行することが可能になりますし、深夜0時から4時に通行する車両を対象にした深夜割引を利用すれば、同じく高速料金が30パーセント引きとなります。

それ以外にも、利用回数に応じて割引を受けることができる制度や、航空会社が導入していることでおなじみのマイレージ制度も用意されているため、これらをうまく利用することによって、大幅に料金負担を抑えることができるのです。

バイクでETCを利用するメリットは、単に高速料金が割安になるということだけではありません。人によっては割引よりも大きなメリットと言えるのが、料金所をスムーズに通行することができるということです。

AT車が普及している自動車の場合と異なり、バイクに乗って料金所で停車して料金を支払うためには、クラッチ、スロットル、シフト、ブレーキなどをフルに使ってバイクを停車させたうえで、グローブを外してバッグから財布を取り出して必要な金額を用意するという作業が必要となります。

バイクに慣れた人でも、これらの一連の動作をスムーズに行うことはなかなか難しく、せっかくのツーリング気分に水を差すことにもなりかねません。

ETCを利用することができれば、これらのストレスから一気に解放され、料金所で手間取ることなく走行し続けることができるため、それによって得られるメリットは非常に大きいということができるでしょう。

バイク用ETC端末の種類について

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バイクに取り付けることができるETC端末にはいくつかの種類があります。それぞれの種類によって特徴が異なりますので、ここからは一つずつ見ていくことにしましょう。

まず一つ目は、一体型のタイプで、これはETCカードを挿入するための車載器の本体に、アンテナやインジケーターといったETCを利用するために必要なパーツが装着されて一体となっている機器です。

すべてのパーツが一つにまとまっていることから、サイズが大きく、取り付けるにはスペースが必要である反面、車載器とは別にアンテナやインジケーターを取りつける場所があまりないようなタイプのバイクに取り付けるには非常に便利です。

なお、取り付け場所は基本的にハンドル周りとなり、専用のホルダーを用いることになります。その際、ハンドル操作に支障を来したり、スマホホルダーと接触することのないよう注意して取り付ける必要があります。

二つ目のタイプは、車載機本体とアンテナやインジケーターが別個になっている分離型と呼ばれるものです。

各パーツがコンパクトに分離されているため、なるべく余計なものを取り付けたくないハンドル周りにはアンテナだけを取り付け、それ以外のパーツは目立たない場所に装着することが可能です。

具体的には、車載器の本体部分をバイクのシート下に目立たないように設置し、アンテナパーツはハンドル周りやヘッドライト周りに取り付けるというパターンが一般的です。

一方で、パーツごとに取り付けるスペースを用意することが必要となるため、バイクの車種によっては取り付けが不可能な場合もあります。

そのため、購入時には事前に自分のバイクに対応しているものかどうかをしっかり確認することが重要となります。

バイクへのETC端末の取付料の相場とは?

バイクにETC端末を取り付ける場合には、いくつかの費用が発生します。まず、費用のうち、もっとも大きな割合を占めるのが端末そのものの料金です。

自動車用のETC端末の場合は5,000円から10,000円程度のものが多いのですが、バイク用のものはそれよりも高く概ね20,000円前後するものがほとんどです。

これは、車内に取り付ける自動車用のものと異なり、バイク用の端末は基本的には外部にむき出しの状態で取り付けることになるため、防水性能や防振性能を高める必要があるためです。

端末料金以外に必要となるのは、取り付け費用やセットアップ料金があります。バイク専門店に依頼する場合の相場としては、前者は10,000円前後、後者が2,500円前後となります。

端末料金と併せて総額で30,000円程度を見ておく必要があるというわけです。

次に、お勧めの機種別に端末料金を見ておくことにしましょう。

お勧めの端末の一つ目は、ミツバサンコーワから発売されている分離型のタイプであるMSC-BE31です。車載機本体だけでなくインジケーター部もアンテナ部と分離されていることから、ハンドル周りに取り付けるアンテナ部のサイズが非常にコンパクトにまとまっているのが特徴です。

また、JIS規格を満たした防水性能や防振性能を有していますので、性能面でも問題はありません。定価はなくオープン価格となっていますが、2万円程度で販売されています。

お勧めの端末の二つ目は、ミツバサンコーワのMSC-BE-21です。MSC-BE31と異なり、こちらは一体型のETC端末なのですが、非常にコンパクトな仕上がりとなっているため、ハンドル周りに取り付けてもそれほど邪魔になることはないでしょう。

ETCカードが盗まれないように、手元でカードを着脱することができる設計となっていますので、防犯面でも安心して使用できる製品です。

最後にお勧めする端末は、ミツバサンコーワの分離型ETC2.0車載器であるMSC-BE700Eです。こちらのメーカーはバイク用ETC端末のトップブランドであり、その名に恥じずこの製品も高性能な出来となっています。

特に、車載機本体は非常に薄くなっているため狭いスペースであっても取り付けることが可能ですし、アンテナの取付角度の許容範囲も他の製品に比べて大きくなっています。

その分、販売価格は前述の2つの端末よりもやや高く、23,500円ほどです。

ETC利用時のバイクの通行料の相場とは?

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あまり知られていませんが、高速道路の通行料は車両の区分ごとに設定されています。

この区分は5つ設けられており、具体的には軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車となっています。

これを見ると目ざとい人であればすぐに気付くはずですが、バイクや二輪車という区分は存在していません。

実はこれらは軽自動車等の「等」に含まれることとされており、バイクで高速道路を走行した場合には軽自動車と同じ通行料が発生するのです。
排気量や重量からすると、自動車に比べていかにバイクの高速料金が割高であるかが分かるでしょう。

ではここからは、東京から大阪まで高速道路を使って行った場合の通行料について見てみることにしましょう。

まず、普通車の場合には、ETCを使わずに走行した場合の通行料が10,700円であるのに対し、ETCを使って走行した場合には割引が適用されて8,070円となります。

次に、軽自動車等の区分に含まれるバイクの場合には、通常料金が8,070円であるのに対し、ETC割引を使うことで6,500円となります。

これに前述した深夜割引や休日割引を上乗せして適用すれば、さらに3割引きの4,550円となるため、ETCを利用することで通常料金と比べてはるかにリーズナブルな金額で高速道路を利用することが可能です。

東京から大阪まで頻繁にバイクで行き来する人はそれほど多くはないと思われますので、最後により現実的に東京と横浜をバイクで往復する場合の高速道路の通行料の相場を見ておくことにしましょう。

東京・横浜間の軽自動車等の通常の通行料は1,270円であるのに対し、ETC料金は920円となっています。往復する場合は、それぞれ倍の金額となるため、通常料金は2,540円、ETC料金は1,840円となり、ETCを使うことによって700円の節約となります。

ETC端末の取付料が30,000円前後だとすると、1年に15往復ほどすれば約3年で元が取れる計算ですので、取付料を負担してもETC端末を導入した方が長い目で見た場合には得であるということが分かるでしょう。

ETCを利用して快適にツーリングを楽しもう

以上で見たように、バイクにETC端末を搭載するにはそれなりの費用が掛かるものの、長い目で見ればETC割引によって十分に回収することが可能です。

それに加えて、料金所でいちいち停車するというストレスから解放され、ツーリングを一層満喫することができるようになりますので、まだ愛車がETCに対応していないということであれば、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。