バイクの免許取得にかかる費用はどのぐらい?

小回りの利くバイクは狭い路地や渋滞で活躍し、車のように閉塞感がないためツーリング等では爽快感を堪能できます。

ただ、バイクと言っても様々な種類があり、排気量やサイズも異なりますし、乗りこなすには相応の知識と技能が要求されます。

ここでは、それぞれの車種の特徴やスキルを身につけるまでの流れを紹介しながら、免許取得に必要な費用について解説します。

バイク免許の種類について

バイクは排気量の違いで様々なタイプに分けられ、必要となる免許の種類が異なるため注意しなければなりません。

バイクの免許には「原付免許」「小型二輪免許」「AT限定小型二輪免許」「普通二輪免許」「AT限定普通二輪免許」「大型二輪免許」「AT限定大型二輪免許」の7種類があります。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許は18歳から、他の5種類は16歳から取得できます。

また、ATはオートマチック車のことで、クラッチを使った操作が要らない車種を指します。この免許を取得した人は、AT車に限り運転でき、MT(マニュアル)車に乗ることはできません。

AT車はMT車に比べると操作が簡単で、必要となるスキルも少ないため、MT車よりも早く免許を取得できます。
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免許の取り方について

バイクの免許を取得する方法は、車の免許を取得する場合とは違って特徴的です。公安委員会の基準に適合した指定自動車教習所で受験する、或いは一発試験を受けるという方法に大別できるからです。

指定教習所では、バイクを起こすという初歩の操作から、運転に必要な技術や交通マナー、法規等を学習できます。

修了すれば運転試験場で行われる技能試験が免除されるため、初めてバイクの免許を取得する人の9割以上が利用してきました。

また、教習所には、公安委員会から指定を受けていない「届出自動車教習所」もあります。ここで学んだとしても学科・技能試験は免除されません。

そのため、試験場で受験しなければなりませんが、指定教習所よりもコストを抑えられるメリットもあります。これらの教習所を利用せずに免許試験場で受験することを俗に「一発試験」と呼んでいます。

免許を再取得する人には便利な方法ですし、かかるコストは試験費用や車両使用料のみです。

ただし、バイクの運転に慣れている人でも1回で合格できる保証はないため、何度か受験しているうちにかえって割高になってしまうケースがあるので注意が要ります。

原付免許(原付1種)を取得するなら

原付は、排気量が50cc以下の原動機付自転車のことで、「原チャリ」の愛称で親しまれてきました。

自転車感覚で乗れる便利性は大きなメリットですが、自転車同様に2段階右折をしなければなりませんし、30キロメートルの速度制限も設けられており、2人乗りもできません。

原付免許を取得には、教習所で視力や聴力等の適性検査を受け、パスできれば学科試験に臨めます。学科試験は9割以上を正解しなければならないため事前の学習が不可欠です。

学科試験に合格できれば3時間の乗車講習を受けられ、晴れて免許を取得できます。

免許取得に要する費用には、試験、免許交付、乗車講習等の手数料があり、合計すると8,000円ほどになります。

スムーズに試験に合格できればその日のうちに発行されるため、校則で原付通学が許されている高校生、新聞配達や宅配の仕事をしたいと思っている人には便利です。

小型二輪免許を取得するなら

小型二輪は排気量125cc以下のバイクです。原付以上の排気量を持っているバイクには70cc、80cc、90cc、110cc、125ccが用意されているとあって、最もニーズが高く、多種多様なデザインが販売されています。

2段階右折や30キロメートルの速度制限から解放されますし、2人乗りも可能になりますが、高速道路は走行できません。

小型二輪免許を取得する際に教習所に通うのであれば、適性検査、26時間の学科教習と12時間の技能教習を受け、卒業検定に合格することが必要です。その後、試験場にて学科試験と適性試験に臨むことになります。

ただし、普通車の免許があれば学科教習が1時間、技能教習が10時間に短縮される上、学科試験も免除されます。

各教習所で費用に差があり、相場としては、「普通免許なし 原付のみ」なら20万円程度、「普通免許あり」なら10万円程度です。

一発試験の場合は免許試験場で学科・技能試験を受け、適性検査に合格しなければなりません。原付免許だけを持っている場合は同様に学科試験を受ける必要がありますが、普通車の免許があれば免除されます。

受験費用は6,000円ほどで、試験に合格できれば16,000円程度の取得時講習を受けなければなりません。

また、AT限定小型二輪免許を取得するのであれば、卒業検定までの期間が最短で2日間です(普通車免許がある場合)。週末の休日を利用することで修了できるメリットがありますし、教習所料金も数万円程度安くなります。

普通二輪免許を取得するなら

普通二輪は排気量が400cc以下のバイクで、16歳で免許を取得できる最大車種です。かつての中型二輪であり、バイクブームを牽引していました。

現在でも人気は健在で、教習所では最も免許取得する人が多いタイプです。2人乗りはもちろん、高速道路での走行もできます。

このように走行制限が軽減されますが、免許取得までのハードルは高くなります。教習所での教習時間が大幅に増え、学科で26時間、技能では19時間が必要になり、1段階と2段階に分けられた難易度の高い授業が用意されます。

そして、卒検に合格すれば試験場で学科試験と適性試験に臨めます。

普通免許を持っていれば、教習所によって異なりますが、相場として教習所での費用は23万円前後ほどで、一方持っていないのであれば、一般的には教習所での費用より高くなります

一発試験であれば6,000円ほど必要ですが、試験に合格できれば取得時講習を受けなければならないのでさらに16,000円程度かかってしまいます。

また、AT限定普通二輪免許の場合は、クラッチ操作が必要ないため、普通二輪よりも技能教習が短縮されます。一発試験の費用は変わらないものの、教習所料金は割安です。

ただし、400ccのバイクには車検が必要で、原付や小型二輪に比べて維持費が高くなります。

大型二輪免許を取得するなら

大型二輪免許を取得すれば、全排気量のバイクに乗れます。以前は運転免許試験場での受験しか認められていませんでしたが、現在は、教習所での取得が可能です。

中には、1000cc以上のタイプもあり、操作が一段と難しくなるだけでなく、ドライバーの体格にも適性が求められることから、取得できる年齢が18歳に変わります。

教習所では適性検査、学科教習、技能教習があり、卒検に合格できれば、試験場で学科試験と適性試験を受けることが可能です。

また、技能研修が12時間ある他、普通二輪免許があれば学科教習を受けなくて済みます。教習所料金は32万円ほどで、一発試験の場合は6,000円程度必要です。加えて、試験に合格すれば約17,000円の取得者講習を受けなければなりません。

AT限定大型二輪免許を取得するのであれば、教習所料金は30万円程度になります。以前は650ccまでのタイプにしか乗車できませんでしたが、道路交通法が改正され、2019年12月に上限が撤廃されることになりました。

自分に合った免許を取得して、快適なバイクライフを楽しもう

晴れた日に風を切って走るツーリングは爽快ですし、日々のストレスや疲れを忘れさせてくれます。

しかし、バイクと言っても様々な排気量があり、免許によって走行規制があったり、運転できないタイプもあったりします。

ライフサイクルでの必要性や体格、費用等を参考にして、より自分に合ったバイクを探す必要があります。その上で免許の取得を目指せば、安全で快適なドライブを満喫できるようになります。