中古バイクの選び方とは?走行距離の目安はどのぐらい?

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新車のバイクは高くて手が出せないという人でも、中古バイクならば比較的安価で手に入れることができます。

また、現在は生産が終了しているモデルのバイクも手に入れられるのが、中古バイクの魅力でもあります。

しかし、中古バイクは慎重に選ばなければ、新車を買うよりもお金がかかることになるかもしれません。中古バイクの選び方について見ていきましょう。

中古バイクの選び方その1「走行距離」

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中古バイクを購入する上で気にする人が多いのが走行距離。実際に走行距離が多いほど不具合も多くなり、安く買えても修理などで別にお金が必要になることがあります。では、走行距離何kmぐらいの中古バイクならば問題ないのでしょうか。

走行距離は多いほど価格が安くなるため、走行距離何km以下のバイクがよいとは一概には言えません。「多少高くてもいいから状態のよいものが欲しい」「安くて走れば何でもいい」というように、購入する人によって中古バイクに求めるものは変わってきます。

自分が求める中古バイクを見つけられるように、走行距離ごとの中古バイクの特徴を見ていきましょう。

走行距離が5,000km以下のバイクは、バイク販売店で試乗車として扱われていた場合が多く、状態がよいのが特徴です。走行距離が少ないため、エンジン回りやブレーキ周りの消耗品の状態を気にかけなくても問題ありません。

ただし、走行距離が少ないからといって、必ずしも保管期間が短いという訳ではないので注意が必要です。雨ざらしなどのよくない状態で保管されていた場合、鉄製の部品が錆びていたり、アルミ製部品が腐食していたりします。そのような箇所はないかはきちんと確認するようにしておきましょう。

走行距離が5,000km~10,000kmの中古バイクは、中古バイクの中でも中の上くらい状態のよさです。250cc以上の大型バイクならば、この程度の走行距離でも問題なく走れます。

しかし50cc~150ccの小型バイクは、大型バイクほど長距離を走ることを想定して作られていないので、ものによってはこれくらいの走行距離から不具合が見つかることもあります。異音などのエンジン回りのトラブル、ブレーキパッドやチェーンの摩耗具合などをしっかりとチェックしておく必要があるでしょう。

走行距離10,000km~20,000kmは、排気量によっては不具合や消耗部品の交換が必要となる場合があります。エンジン回りで言えば、バルブクリアランスなどの調整が必要になってくるので、メンテナンス履歴などもチェック項目に加えなければいけません。

また、タイヤやブレーキパッドなどの摩耗部品の状態もチェックしておきましょう。

走行距離20,000km以上になると価格は安くなりますが、購入後にメンテナンスが必要になることが多くなります。バイクの知識が豊富で、自分で修理しながら楽しみたいという人ならば問題ありません。

しかしそうでない場合は、購入費を安く抑えられた以上にメンテナンス費がかかる場合もあるので、あまり20,000kmを超える中古バイクは選ばない方がよいでしょう。

中古バイクの選び方その2「エンジン」

エンジンが壊れていては、バイクは動きません。動作に問題がないかどうか必ずチェックし、問題ないバイクを選ぶようにしましょう。

まず最初にチェックしておきたいポイントは、エンジンが冷えている状態でもセルスイッチ一発で始動できるかどうかです。エンジンを触ってみて冷えていることを確認してから、セルスイッチでエンジンをかけてみましょう。

一発でエンジンが始動できれば、冬場や寒冷地でも問題なくエンジンをかけられます。

逆に、チョークを引かないとかからなかったり、アクセルを開けないとかからなかったりする場合は、バッテリーやプラグなどに何らかの不具合がある可能性があります。

次に、エンジンが始動してから30秒以内に異音がしないかどうかも確認しましょう。エンジンに異常があると、ガラガラという音がします。特に始動直後でエンジンがまだ冷えている状態だとよく聞こえるので、冷えている間に異音がないかを確認することが大切です。

さらに、エンジン回りでオイル漏れがないかのチェックも忘れずにする必要があります。オイル漏れしている状態でエンジンを動かし続けると、エンジンに大きな負担をかけエンジン自体が故障することにもつながります。

オイルがにじんだ跡がないか、エンジン回りを触って濡れている箇所がないかを徹底的にチェックしましょう。

中古バイクの選び方その3「サスペンション」

サスペンションは凹凸の多い道などを走った際に、衝撃を吸収するための部品です。乗り心地や安全性に大きく関わってくる部品なので、忘れずに問題ないか確認するようにしましょう。

サスペンションは実際に手や体で押し込んでみて、動きに問題がないかどうかを見ます。サスペンションの動きは、押し込んだ時に落ち過ぎず、放したらゆっくり戻ってくるのが理想的です。

押し込んだときに引っかかりを感じたり、放したときにゆっくり戻ってこなかったりした場合は、サスペンションに何らかの不具合があるかもしれません。サスペンションが曲がっていると、サスペンションをストロークさせたときに引っかかりを感じやすくなります。

また、サスペンションの中には衝撃を吸収するためにオイルが入っています。このオイルが漏れていないかどうかもしっかり確認しましょう。

目視でオイル漏れの跡がないかを確認するのはもちろんのこと、実際にサスペンションを押し込んだときに、押し込んだ衝撃でオイルがにじみ出ていないかどうかもチェックするとよいです。

サスペンションのオイル漏れは修理が高額になるので、購入前には必ず見つけておきたい不具合の1つです。

中古バイクの選び方その4「事故歴の有無」

バイクはどうしても転びやすい乗り物です。したがって、多少傷や修復した跡が残っているのは中古バイクを買う上で仕方ないことでしょう。

しかし、事故車のように走行に影響が出るようダメージの残ったバイクは、いくら中古だといっても避けたいものです。特にフレームのゆがみなどは時速80km以上の高速で走ったときに、まっすぐ走れないなどの問題が出てきます。安全性を確保するうえでも、事故歴がないバイクを選べるようにしておきましょう。

事故歴がないかを確認するには、まずハンドルストッパーを見てみましょう。ハンドルストッパーとは、ハンドルが必要以上に切れないようにする部品のことで、大抵はステアリングステムとフレームの接続部近くにあります。

バイクで事故を起こした場合、ハンドルを左右のどちらかにめいっぱい切った状態でぶつかることが多いため、ハンドルストッパーに大きな力が加わり、傷がついたり破損したりしてしまいます。したがって、ハンドルストッパーに傷や修復の跡が残っているかどうかは、事故歴の有無を判断するうえでの1つの目安となるのです。

ただし、事故によってはハンドルストッパーに傷がつかないこともあるので、ハンドルストッパーが無傷だからといって事故歴なしと断定しないように気をつけましょう。

また、フレームに修復の跡がないかもチェックのポイントです。溶接し直した跡があったりフレームを塗装し直していたりする場合は、フレームに大きな傷がついて修復した可能性があります。溶接の跡や塗装の色などは、素人ではなかなか見分けがつかないことも多いでしょう。

そういう場合は、同じ車種同士で見比べてみるとよいです。「他のバイクにはない溶接跡がある」「他のバイクと比べて明らかに塗装が新しすぎる」など、見比べることで事故歴に気がつけるかもしれません。

お店選びも大切!接客をチェックしよう

中古バイクを買うのならば、不具合は少ないに越したことはありません。

しかし、どれだけバイクへの知識を増やしても、不具合に気がつかずに買ってしまうこともあるでしょう。そのようなことを減らすためには、「このバイクにはこういう問題があります」と正直に教えてくれるバイク販売店で買うことが大切です。

では、どうすればそのようなバイク販売店を選べるようになるのでしょうか。そこでチェックしておきたいのが店員の接客態度です。「エンジンをお客さんにかけさせないようにする」「バイクを細かくチェックするのを嫌がる」などの態度が見られた場合は、バイクに何らかの問題があるのを隠そうとしているのかもしれません。

また、すぐに契約書にサインをさせようとする販売店も要注意です。

店員がどれくらいバイクやその車種について詳しいかも確認しておきましょう。車種やメーカーごとの知識が十分でないために、整備したにもかかわらず問題点をスルーしてしまうという可能性はゼロではありません。

前者の場合と比べて販売店側に悪意がない分、接客態度などでは気がつきにくいです。「この車種にはどのような癖があるか」「他の車種と比べてメンテナンスで気をつける点はあるか」などを質問して、どれくらいの知識があるかを確認してみましょう。

正しい知識を身につけて、トラブルのない中古バイクを選ぼう

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中古バイクを選ぶときには、自分がどのような目的でバイクを買いたいのかをはっきりさせることで、どのような状態のバイクを選べばよいかが明らかになります。走行距離ごとの特徴を押さえておけば、自分の目的に合ったバイクを見つけやすくなるでしょう。

また、バイクを選ぶ際には走行距離だけでなく、エンジンやサスペンションなどの各部品の状態や事故歴についても、しっかりと確認しておくことが大切です。