まずバイクチェーンの洗浄をはじめるにあたって用意しなければいけないものから確認しましょう。

バイクのチェーン洗浄の際にはチェーン全体を掃除するためにタイヤを浮かせて回す必要があります。したがって、メンテナンススタンドがあると洗浄がスムーズに進むでしょう。

メンテナンススタンドはメーカーによって異なりますが、安いものだと5,000円程度で購入することができます。

一般的に使用されるジャッキタイプメンテナンススタンドは少し価格が上がって10,000円程度になってしまいますが、チェーン洗浄以外のメンテナンスもスムーズに進められます。
したがって、メンテナンススタンドに関してはジャッキタイプのものを選ぶのが良いでしょう。

次に準備するのが、バイクチェーンをブラッシングするのに使用するチェーンブラシです。

もちろん通常のブラシでチェーンをこするのも良いですが、専用のものの方がきれいに汚れを落とすことができます。

バイクもしくは自動車専門ショップで売られており、大体1,000円程度で購入できるので、1本購入しておくのがおすすめです。

そしてチェーンのクリーナー・オイルに関しては安いものから高額なものまで様々なものが存在しており、初心者ならまずあまり価格が高くないものを選ぶのが良いでしょう。

これらに加え、チェーンを拭くにあたってウエスも準備する必要があります。大体500円程度で購入できますが、万が一近場で売られていない場合は小さく切った布で問題ありません。

また、車体にクリーナーやオイルが掛からないように新聞紙も用意しましょう。

この6点を用意したら準備完了です。

バイクのチェーンクリーナー・オイルには様々な種類が存在しており、種類によって洗浄効果が異なります。そこでチェーンクリーナー・オイル選びのポイントを確認しておきましょう。

まず、チェーンクリーナーは大きく分けると石油系とアルカリ系の2種類に分けることができます。

石油系はしっかり汚れを落とすことができるうえに、水で洗い流す必要もないので、水が使えない場所でメンテナンスをしたい時に便利です。価格に関しても安めのものが中心であることから、手軽に入手できるでしょう。

ただ、石油系のチェーンクリーナーはゴムやプラスチック製のパーツを傷めてしまう可能性があるため、取り扱いに注意する必要があります。

それに対してアルカリ系は水洗いに対応しているので、広範囲を一気に洗浄したい時に便利です。

石油系と比べると価格帯が高めではありますが、においが少なく、プラスチックパーツなども傷めることなく洗浄できるので初心者にはこちらがおすすめです。

また、チェーンクリーナーは遅乾性・速乾性にも分けることができます。

遅乾性は乾くのが遅い分しっかりとチェーンに浸透するのでガンコな汚れを落とすのに便利です。泥やホコリが長期間溜まってしまうことによって硬くなり、落ちにくくなっている状態なら遅乾性のものを選びましょう。

それに対して汚れがそれほどひどくないのであれば速乾性タイプを使うことでスピーディに洗浄を終えることができます。

それに加えて、チェーンクリーナーを選ぶ場合はノズルが付属しているかどうかも確認しましょう。

ノズルが付いていないものだと、逆さにスプレーを噴射したい時に不便です。それに細かい部分にスプレーを噴射しにくいというデメリットもあるので、なるべくノズル付きを選びましょう。

そして、あまりチェーン洗浄を行う時間が確保できないなら防錆剤入りのチェーンクリーナーを選ぶことも忘れてはいけません。

チェーンが錆びてしまうとバイクの騒音にも繋がってしまうことから、なるべくチェーンが錆びないようにするための対策も怠らないようにしましょう。

次にチェーンオイルはドライタイプ・ウェットタイプ・ワックスタイプの3つに分けることができます。

オイルの種類によって走りにも影響するので目的などに応じて選びましょう。

ドライタイプはオイルの中でもドロッとしており、自浄作用があるのでチェーンをまめに洗浄しなくても良いという点がメリットです。

しかし、乾燥時間が短いとチェーンが汚れやすくなってしまうことからしっかり乾燥させる必要があります。

また、雨が降った後にバイクに乗る場合は乾燥してしまうのですぐに注油しなければいけません。

ウェットタイプはさらっとしていることからチェーンに浸透しやすいのが特徴です。チェーン全体にオイルをしっかり行き渡らせたいと考えているならウェットタイプを選ぶのがよいでしょう。

ただ、ドライタイプと比べて注油してすぐに走るとオイルが飛び散ってしまうので要注意です。

そしてワックスタイプはドライタイプよりもさらにチェーンを汚れにくくすることができるのがメリットです。

水のようにさらっとしており、チェーンに浸透しやすいですが、水ですぐに流れてしまうというデメリットもあり、頻繁に注油を行う必要があります。

そのため、普段から頻繁にバイクのメンテナンスをする人には手軽に注油ができておすすめですが、そうでない人にはあまりおすすめしません。

それではバイクチェーンの洗浄方法をチェックしていきましょう。

まずは水で簡単にチェーン全体の汚れを落とします。この際水圧が弱すぎると汚れが落ちないので強めの水圧でしっかり汚れを落としましょう。

また、このタイミングでチェーンの汚れだけでなく傷み具合もチェックする人が多いでしょうが、チェーンだけでなくスプロケットの状態もチェックするのを忘れてはいけません。

水でチェーン全体の汚れを簡単に落としたらメンテナンススタンドにタイヤを乗せ、チェーン全体の洗浄を行います。

チェーン全体にチェーンクリーナーを吹きかけたら、チェーンにクリーナーがしみこむのを待ちましょう。

そして、少し待ってある程度しみこんできたらブラシを使ってチェーンをこすりましょう。この際にアルカリ系のクリーナーを使っている場合はスプロケットなど周りのパーツも一緒にこすって綺麗にするのがおすすめです。

そして汚れがきれいに落ちたら水で洗い流します。ウエスを使ってチェーンの水気をある程度拭き取ったら注油作業に入りましょう。

注油の際はプレートとプレートのつなぎ目にオイルを入れるイメージで作業をするとオイルが全体に行き渡りやすいのでおすすめです。

ちなみに内側の注油作業は少し難易度が高いことからどうしても雑になってしまいがちでしょう。
しかし、内側もスプロケットなどに当たる部分なので入念に行わないとバイクが不調をきたしてしまう可能性があります。

そのため、しっかりと内側も入念に注油しましょう。オイルが乾いてきたらメンテナンス終了です。

チェーンのメンテナンスの頻度は大体500kmごとに1回と言われています。そのため、人によって頻度は異なるでしょう。

しかし、走行距離だけでなく保管状況によってもチェーンの状態は大きく変わります。バイクに乗っている人は毎月500kmも乗らない人でも月に1～2回はメンテナンスを行っており、大体この程度の頻度でメンテナンスを行うのが良いでしょう。

ただ、チェーンオイルは先ほど解説した通り雨が降った後だと落ちてしまいやすいです。したがって、雨が降った後は必ず注油したうえで乗るようにしましょう。

バイクのチェーン洗浄を行う際にいくつか注意しなければいけない点があります。洗浄方法が悪いと逆にバイクの寿命が短くなってしまうので、注意点もしっかり把握しておきましょう。

まず、チェーンの汚れをブラシで落とす際には強くこすってはいけません。強くこすってしまうとオイルシールやチェーンに傷が入ってしまう可能性があります。

したがって、チェーンをブラッシングする場合は優しくブラシを細かく動かして汚れを落としましょう。

次にチェーンオイルを入れた後はすぐに走ってはいけません。オイルがチェーン全体にしみこんでいない状態で走ってしまうとオイルが飛び散って車体が汚れてしまいます。

そのため、注油後すぐに走りたいと思っているなら速乾性のチェーンオイルを選ぶのが良いでしょう。

ただ、速乾性のオイルでもすぐに乾くというわけではないので、速乾性でも最低1～2時間は待ったうえで走りましょう。

チェーン洗浄は手間がかかるので、バイクに乗る度に毎回行うのは難しいです。

ただ、普段から一切バイクチェーンのメンテナンスを行わないでいると、いざしっかりチェーン洗浄をしようと思った時に汚れがガンコすぎて洗浄作業の手間が増えてしまいます。

そこで日常的にできるチェーンメンテナンスを行うことでチェーン洗浄の際の手間を減らしましょう。

簡単にできるメンテナンスは、バイクに乗り終わってチェーンが温かいうちに軽くウエスでチェーンを拭く程度で問題ありません。

ただ、この際にオイル切れを起こしていないかどうかを確認することも忘れないでおきましょう。
万が一目で見てオイルが足りないと感じたら軽くチェーンオイルを吹きかけて、ウエスを使ってオイルを全体に行き渡らせれば問題ありません。

これだけでチェーン洗浄を行う際の手間を大分軽減できるので、バイクに乗り終わった際には忘れずにウエスで軽くチェーンを拭いておきましょう。

チェーン洗浄をしっかり行わないとチェーンから出る音がうるさくなったり、燃費が悪くなってしまったりします。

したがって、バイクのチェーンの状態はバイクの乗り心地に大きく影響すると言えるでしょう。

安全にバイクに乗るためにもチェーン洗浄は重要です。チェーン洗浄の手順や頻度をしっかり把握して、安全にバイクの運転を楽しみましょう。