RZ-VOL77 RZ250Rのクラッチワイヤーが切れた!

商品紹介
先日、最近お気に入りの道志に走りに行った帰り道の事。自宅まであと信号2つという所でシフトアップした際に、クラッチレバーに身に覚えのある「グギッ」と言う嫌な感触・・

「コリャ切れるな!」
RZ-VOL 77
クラッチワイヤーが切れた!
RZ250R クラッチワイヤー交換

ナップスのRZ大好物店長フジブロスです!
ブログの更新がロングスパンで申し訳ないです・・

さて、今回はRZ-R/RR系のクラッチワイヤー交換。

先日、最近お気に入りの道志に走りに行った帰り道の事。自宅まであと信号2つという所でシフトアップした際に、クラッチレバーに身に覚えのある「グギッ」と言う嫌な感触・・

「コリャ切れるな!」

瞬時に察したフジブロスはそのままクラッチ操作無しで走行しましたが、目の前の信号がに変わりクラッチレバーを握らざるを得ない状況に。

そ~っと握ったのですが
ブチッ!!
予想を裏切らずに切れちゃいました。

山の中じゃなくて良かったー! ここまで頑張って運んでくれたRZにも感謝!
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自宅の近くだったのが幸いしましたが、日ごろのチェック・メンテナンスの大事さを改めて痛感しました。

そして数日後・・
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注文してあった新品ワイヤーも入手できたので、交換作業に移ります。

RZ-R/RR系のクラッチワイヤー交換で面倒なのは、キャブレターを外す必要がある事です。

クランクケース上にクラッチワイヤーが固定されており、キャブレターの真下と言う場所がら工具のアクセスが非常に厳しいです。

絶対に外す必要があるのか? については色々な意見がありそうですが、、フジブロスの結論としては「キャブレターを外して作業した方が圧倒的にラクだし、結果的に早い」と言う事です。

初期型RZ(4L3・4U0)の場合は、左エンジンカバーの中にユニットがあるのでキャブレターを外す必要は無く、比較的簡単に交換できます。
RZ-R/RR系はちょっと面倒ですね。

と、言うワケでサクサクとキャブレターを外します。

・マニホールドバンドのネジをめいっぱい緩める。
・エアクリーナージョイントのバンド2個を外す。
・クリーナージョイント(カップ状のゴム)を外す。
・オイルホースを抜く。
・キャブ下のドレンホースを抜く。

右キャブ側・左キャブ側と分けて行います。

お次は

・フューエルホースと負圧ホースをコックから抜く。
・キャブ本体をエンジンから外す。

フジブロスは慣れているので5~6分で完了!

次はいよいよ切れたクラッチワイヤーを撤去します。

指を指しているのはストッパープレート。
コレを外さないと、クラッチワイヤーが抜けません。
すぐ横にあるネジを緩めてストッパープレートを外します。

ノーマルネジは六角ボルトですが、フジブロス号は六角穴付きボルトに変更しています。

これは、出先などでトラブルがあった場合に、狭いスペースの中で限られた工具で整備する為の変更です。
これならL型の六角レンチでネジを回す事が出来ます。
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フジブロス号は色々な理由があって、画像の通りエンジン側にも調整機能のあるクラッチワイヤーを採用しておりますが(他車種流用)RZ系のノーマルクラッチワイヤーにエンジン側で調整できるネジなどはありません! ご了承ください。
この辺りは最後に詳しく書こうと思います。
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これがRZ系のエンジン側ノーマルエンド。
調整機能はありません。
と、言うか厳密にはあるのですが「クラッチカバーの中」です。

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これはフジブロスが流用している他車種用エンド。
ナットの固定位置で調整する事が出来ますがボルトオンではありません。

さて、外したクラッチワイヤーを見てみましょう。見事にレバー側でブッチリ切れています。
確か5年以上使っていた気がしますので寿命でしょう・・
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新しく手配したクラッチワイヤーが準備出来たら、組み込む前にワイヤーグリスを注入しておきます。
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オレンジ色の工具は効率良くオイルを注入できる「ワイヤーインジェクター」と言う便利グッズです。
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店頭でも1,000円以下で数種類販売しておりますので、工具箱には用意しておくと良いですね♪
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ワイヤーグリスも~2,000円ぐらいです。
1本持っていれば何年かは使えますよ! 

ついでにレバーやピボットボルトもクリーニングとグリスアップをしておきましょう!
実は結構大事なメンテナンスです。

3か月前ぐらいに一度メンテナンスしているのですが
かなり汚い・・
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クラッチレバーとピボットボルト一式です。
コチラもクリーニングとグリスアップをします。

拡大していただくと分かるのですが、ピボットボルトは段付き摩耗しています。
こうなるとレバーのガタも増えて、クラッチの切れなどにも影響が出始めます。

純正部品でも500円以下ぐらいなので、近日中に交換してしまおうと思います。
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ちなみに! 画像の通りフジブロス号はクラッチレバー自体も他車種の物を流用しています。
RZ用ではありませんが、整備の仕方は同じです。
これまた後で説明します。

準備も出来たので新しいクラッチワイヤーを組み込んでゆきます。

通すルートを間違えたりすると、他の部品と干渉してしまったり、ワイヤーに無理がかかってレバーが重くなったりしてしまいます。
組み込む際はこの辺りもチェックしながら組み込みましょう!

新しいワイヤーをセットしました。

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エンジン側は最初に外したストッパープレートも忘れずに装着します。

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レバー側も装着。
アジャスターボルトでクラッチが切れるポイントをしっかり調整します。

この調整がしっかり出来ていないと
・ギヤチェンジが硬い
・ニュートラルに入らない
・ニュートラルから1速に入れるとエンジンが止まる

などの症状が出ます。
これはつまり「しっかりクラッチが切れていない」からです。

もし、レバー側のアジャスターボルトで調整をしても上記のような症状が改善されない場合、RZ-R/RR系はエンジン右側のエンジンカバーを開けてクラッチ中央にあるアジャスターボルトを調整する必要があります(詳しくはサービスマニュアル参照)
※非常に手間と時間がかかります。

さて、あとは外しておいたキャブレターを元通りに装着して作業完了!
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フジブロスはキャブレターを外すのは5~6分で出来ても、装着には時間をかけます。
やはり組み込む時の方が注意ポイントは多いですからね。何度もチェックしながら作業を進めます。
ここでミスするとエンジン焼き付きに直結してしまいます!

各部の再チェックをした上でエンジンをかけ、クラッチがちゃんと切れるか確認出来たら作業終了!
ざっくり1時間あれば交換が完了します(フジブロスの場合)

こんな商品も販売されております!
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●キジマ製 202-980
クラッチワイヤーストッパー 700円(税抜)
良く切れてしまう「タイコ部分」の応急補修パーツです。

●アルキャンハンズ製 F00020A
応急補修ワイヤーKIT クラッチ用 1,780円(税抜)
出先で切れてしまった場合の応急処置用ワイヤーセット。※別途ワイヤーをカットする「ニッパー」などが必要です。

キジマ製はタイコの部分で切れてしまった時用、アルキャンハンズ製はインナーワイヤーとタイコ部分のセットで、途中で切れてしまった場合にも対応できるのでほとんどの車種に対応できるでしょう。

ツーリングなどの際に持っていると、いざと言う時に重宝します。

さて、ココからはフジブロス的「クラッチにまつわる危機回避」のためにしているチューニングです。

冒頭にあった通り、フジブロス号には他車種用のクラッチワイヤー等が組み込んであります。
これには色々な理由がありますので参考になればと思います。

その根本にある理由は
「何かあってもその場で直す!」
「そして乗って帰る」です。
最低限の車載工具で動かせる状態にする為の創意工夫ですね。

●クラッチレバー&ホルダーがホンダ車用
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今装着しているのは、確かMC16のNSR250用ホルダー&レバー

これにはちゃんと理由があります。
単純にカスタム好きとして「違うパーツを組み込みたい」と言うのもありますが!
・RZ純正ホルダーはグリップやスイッチを外さないと外せないのが面倒。NSRはネジ止め式で作業性が良い
・世の中で一番多く使われているだろうクラッチレバーを採用する事で、出先で何かあった時も比較的入手しやすい

●クラッチワイヤー本体
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フジブロスが使っているのはスズキの「94~インパルス400用」
●アルキャンハンズ製 JB413C00 税抜2,200円
ノーマルサイズ ブラック

これにも理由があります。
・レバー側も真っすぐタイプが欲しかった。曲がっていると抵抗になりそうな気がする。
・ホンダ製ホルダー&レバーにしたらノーマルワイヤーと合わなくなった(気がする・・)
・エンジン側でも調整できるので、クラッチ調整の幅が広がるしエンジンを開ける必要性が減る。
長さはRZ250R/RR系ノーマル(29L除く)よりも約10センチほど長いです(約1,060mm)
フジブロスはパイプハンドル仕様なので長さはちょうどよいのです。

こんな理由でホンダ車用レバーや、スズキ車用ワイヤーを使っているのです。

ちなみに!
★RZノーマルのクラッチホルダー&レバーに、インパルス400のクラッチワイヤーがOKなのか?
★NSRクラッチホルダー&レバーに、RZノーマルクラッチワイヤーがOKなのか?
この2点に関しては検証しておりませんので分かりません。ご了承ください。

私のように他車種用のクラッチホルダーやレバー・クラッチワイヤーを流用している方で「クラッチワイヤーが良く切れる」と言う相談を受ける事がございます(アクセルワイヤーも同様)

こういった場合に見て欲しいのは、普段からグリスアップなどのメンテナンスがされているか? はもちろんですが「どの部分で良く切れるのか?」が重要です。
良く切れる場所=何かしらの無理がかかっていると言う事です。

今回フジブロス号のワイヤーが切れた部分も、実は原因は以前から分かっています。
ホンダ車用ホルダー―&レバーに加えて、ワンオフのアジャスターボルトを組み合わせた事でインナーワイヤーが少しホルダー内と干渉していたのです(いろいろ対処はしてありますが)

そして、他車種用クラッチワイヤーだからこそ、エンジン側も「インナーワイヤーのセンター出し」を意識しています。

インナーワイヤーが中央に来る様に、アームを曲げたり固定位置を上下させたり微調整をして、アウター金具との干渉を最小限にしています。
ココの「擦れ」が強いとエンジン側ワイヤー部分が切れやすくなります。
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アームがボロいな・・

フジブロスはバイクに乗る時には必ず持っている物があります。
・アクセルワイヤー
・クラッチワイヤー
・左右レバー
・点火プラグ
・ミニパーツクリーナー
・レギュレーター(RZ-Rならでは!)
・これらを交換作業出来る最低限の工具

パーツ類はすべて過去に交換して外した中古品です。
「本当か!?」と思った方もいらっしゃると思いますが本当に持ち歩いています(笑)

特にアクセルワイヤーとクラッチワイヤーは車種専用品ですし、切れてしまったら動けなくなってしまいますからね。
中古品でも良いので持ってさえいれば、何かあった時にも現地で修理ができます。

いかがでしたか?
何か参考になる事があれば嬉しいですね♪

近日中にアクセルワイヤーの交換を予定しておりますので、こちらをブログにしたいと思います。
次回もお楽しみに!(なるべく早く書きますっ)
RZのプラモデル製作は全然進んでおりませぬっ!

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RZ過去ブログはコチラ(相模原店時代に執筆物)