バイクブレーキの調整方法とは?ポイントを押さえて点検しよう

バイクで遊ぶ
命に関わる重大事故に直結するブレーキの故障を防ぐためにも、日頃から自分でブレーキの点検や調整を欠かさないことが大切です。

自分でセルフチェックできるようになれば少しの異常にもすぐに気がつくことができるようになります。
ポイントを押さえてしっかり点検し、重大事故を未然に防ぎ楽しいバイクライフを送りましょう。

まずはブレーキパッドの残量をチェック

 (14544)

まずはブレーキパッドの残量をチェックしましょう。ブレーキパッドは消耗品です。

車のブレーキパッドと違い、バイクのブレーキパッドは確認しやすいので簡単に点検することができます。キャリパーを外さなくても、明るいところで覗いてみるとブレーキパッドの残量がわかります。

使用限界のマークはメーカーによって異なりますが、そこに到達したら交換が必要です。また、ブレーキをかけた時にゴリゴリと音がするようになったらブレーキパッドの交換時期ですのでチェックしてみてください。

車検を通すのに必要なブレーキパッドの残量は1.5mmですが、そこまで減る前に交換した方が安心です。

ブレーキパッドを自分で交換する

 (14579)

ブレーキパッドの残量が減ってきたら交換が必要です。ブレーキパッドには主に3つの種類があるので自分のバイクに合ったブレーキパッドを選んでください。

まず1つ目は定番のセミメタルパッドです。通勤やツーリングなど、普通にバイクを乗る人にオススメなオールマイティーなブレーキパッドです。値段もお手頃です。

2つ目はオーガニックパッドです。これは繊維系の素材を樹脂で固めた素材からできています。コントロールがしやすいことが特徴で、ディスクのタッチがソフトです。このパッドはストリート走行をメインにしている人にオススメです。

3つ目はシンタードパッドという金属系の摩擦材を高温で焼き固めて作った高性能パッドです。こちらは値段も高く、レーサー向きのパッドです。

自分のバイクに合うパッドがわかったら交換してみましょう。交換する時には特に特殊な工具は不要です。六角レンチとマイナスドライバーがあれば自分で交換することができます。

まずブレーキキャリパーをボトムケースから取り外し、キャリパー内を綺麗にします。この時、ピストンの油の固着が特にしつこいので丁寧に掃除していきます。

キャリパー内が綺麗になったらスライドピンをグリスアップしてから新しいブレーキパッドを装着し、パッドをディスクに噛ませます。あとは逆の手順でブレーキキャリパーを装着すれば交換完了です。

次にブレーキフルードのチェック

ブレーキフルードはブレーキオイルとも呼ばれていて、正常にブレーキを作動させるためのブレーキオイルです。バイクはブレーキレバーを握るとブレーキピストンとブレーキパッドへ圧力をかけ、ブレーキがかかる仕組みとなっています。

ブレーキフルードはこのブレーキピストンがついたシリンダー内に充填されています。バイクのブレーキは発熱しやすいのでフルードが沸騰してブレーキホースに空気が入ることがよくあるので定期的な点検が必要です。

ブレーキレバーを思いっきり握り、レバーの固さがあるかを確認することがポイントです。もしレバーを握った感触が緩いと感じたら、空気が入っている可能性が考えられます。

また、ブレーキフルードは空気中の水分を吸収し、だんだん時間とともに劣化していきます。放っておくとブレーキの効きが悪くなり、重大事故へとつながりかねません。

劣化しているかどうかはフルードタンクにある小窓から確認することができます。フルード液の色や濁り具合がポイントになります。フルード液は新品の時は透き通った黄金色をしています。

ところが劣化が進むと茶色く濁った色へと変化していきます。異常を感じていなくてもフルード液は劣化するので走行距離を考慮し、定期的な交換が必要です。目安として、1万キロから2万キロ走行したら交換が必要です。

ただし、走行距離が1万キロに満たなくても、経年劣化しますので走行距離に関わらず2年に1度は交換が必要です。

ブレーキフルードを自分で交換する

 (14580)

ブレーキフルードは自分で交換することができます。特別な工具は不要で六角レンチとドライバーで作業が可能です。ブレーキフルードはDOT4と書かれているものを用意してください。

古い液を抜き、新しい液を注入していくのですが、この時に空気が入らないようにすることが重要なポイントです。具体的な交換方法を紹介します。

まず、ハンドル周辺にあるフルードタンク蓋を開けて中身を確認します。次にフロントタイヤのブレーキパッド横にあるニップルに耐油性ホースを接続します。このホースはブレーキフルードのドレンプラグの太さと同じものを使用します。

ホースの装着が完了したら、ニップルネジを緩めます。その状態で軽くブレーキを握ると、古い液体がホースから流れてきます。古いブレーキフルードを受ける耐油性の容器を置いておきます。フルードタンクの残量に注意しつつネジを調節しながら新しい液体を少しずつ足していきます。

ニップルからは茶色の液体が出ていますが、交換が完了すると綺麗な透明の液体に変わります。透明になるまでこの作業を繰り返します。

もしフルードタンクの残量を空にしてしまったり、ホースから漏れたりすると、シリンダー内に空気が入り込んでしまいます。ニップルを締める前にブレーキを離してしまった場合も空気が入ってしまいます。そうなってしまうとエア抜き作業が必要となります。

必ず作業が完了したらブレーキを握ってみてください。ふわっとした感触があったらシリンダー内に空気が入っていますのでニップル等を全て締めた状態でブレーキを何度も握り、かちっとした感触になるまでエア抜きをします。

最後にブレーキディスクを点検

 (14581)

ブレーキディスクはブレーキパッドを挟み、それによってブレーキをかけています。

そのため1つ目のブレーキパッドや2つ目のブレーキフルードと同様に、ブレーキディスクも消耗品です。ディスクローターの点検時期の目安は走行距離5000キロです。異音がしてきたら速やかにブレーキディスクを点検、必要があれば交換しましょう。ブレーキディスクもブレーキパッドと同じように自分で交換することができます。

ディスクローターの点検ポイントは2つあります。

まず1つは歪みや傷がないか目で確かめます。ブレーキディスクは外側にいくほど回転半径が大きくなります。そして回転の半径が大きくなるほど回転する回数は多くなります。

そのため、ブレーキディスクは外側にいくにつれ摩耗度合いが大きくなり、偏摩耗という不均一に魔耗する特徴があります。

歪みのあった場合には交換が必要ですが、傷があった場合、深い傷でなければサンドペーパーで研磨することでメンテナンスができます。深い傷の時にはディスクローター自体を交換します。

2つ目は段差がないか確認します。このとき指で撫でてみると段差があるかどうか確認することができます。走行中に小石などの固い異物がブレーキパッドとブレーキディスクの隙間に入り込んだりした場合に段差が発生してしまうことがあります。

ディスクローターは平らで滑らかな状態が正常ですので、1mm程度の段差でも交換が必要となってきます。

自分でメンテナンスして自分の命を守る

バイクは車よりも事故が命に関わる可能性が高い乗り物です。

しかし、車よりも点検やメンテナンスが自分でしやすいといった特徴もあります。歪みを目で確認し、異音を耳で捉えバイクの異常を即座にキャッチすることが大切です。

点検のポイントを把握しているとアンテナの感度も高まり、早い段階でメンテナンスを行うことができます。