バイクでの交通違反と違反点数・反則金について

バイクに乗る際には、他人に危害を加えないためにも、自分の身を守るためにも、ルールを守って運転することが大切です。しかし、バイクを常用するなかで、つい交通違反を起こしてしまう運転者も少なくありません。

いざというときに慌てないためにも、安全運転への意識を強めるためにも、交通違反時に受ける点数や反則金について知っておくとよいでしょう。

交通違反の処分は点数制度

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バイクに乗っていて交通違反を起こすと、運転者に対して処分が科せられます。日本の法律で導入されているのは点数制度です。

また、処分の内容を決める点数の算出の仕方は、減点方式ではなく累積点数方式となります。違反の内容ごとに点数が定められていて、その合計が一定の基準点数を超えると処分が下されることがルールです。

累積される期間については無期限ではなく、原則、過去3年間と定められています。

さらに、処分の内容は、車両の種類によっても異なるため注意が必要です。大型車など、普通車、二輪車、原付車と大きく4つに分けられていて、バイクが相当するのは二輪車です。基本的には、大型の車ほど違反時に科される反則金額は大きくなります。

違反内容によっては、車両の種類が違うだけで、反則金額が二倍近くなることもあるほどです。

無事故や無違反の人には優遇措置がある

点数制度では原則として、交通違反などを起こすと、そのたびに過去3年間の点数が累計されることとなっています。

しかし、一定の条件を満たしている場合には、それ以前に科された点数が累積されない優遇措置もあるのです。

たとえば、免許の停止や失効などがあったときを除く運転可能期間が過去1年以上、無事故無違反のケースでは点数が加算されません。さらに、2年以上無事故無違反であれば、3点以下の交通違反をしても、その後3カ月以上無事故無違反であれば、その点数は合算されないことになっています。

ただし、あくまでも点数が加わらないだけで、違反した経歴は残ります。

点数制度の内容は主に4種類

点数制度で付与される点数には、違反行為それぞれに対して個別に付与される基礎点数と、内容に応じて基礎点数に付加される付加点数の2種類があります。

さらに、違反行為についても、一般違反行為と特定違反行為の2つに区分されているのです。交通違反をした場合にはこれらの区分を基準として処分が下されます。

違反内容に応じて付与される点数は大きく4つの種類に分けられ、1つ目が一般違反行為に付与される基礎点数です。たとえば、信号無視や放置駐車違反などがこれにあたります。

2つ目は、特定違反行為とされる運転をしたときに付けられる基礎点数です。具体的には、酒酔い運転などが対象となります。

3つ目は交通事故を起こした際に付加される点数です。追突して人にケガをさせたり、死亡に至らせたりした場合には、責任の程度の重さに応じて加算点数が決められます。

4つ目が、あて逃げ事故などに対する付加点数です。交通事故などを起こして負傷者などを出したにもかかわらず、必要な対処をしなかったときに合算されます。

主な交通違反に対する違反点数と反則金

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交通違反は本人が意図的に行うものもあれば、自覚なく起こしてしまうものもあります。運転者によって起こす違反はさまざまですが、ここでは、バイクの運転手が起こしやすい主なケースについて、それぞれの具体的な違反点数と反則金を紹介します。

スピード違反

交通量が少ない場所や道幅が広くて走りやすい道などを通ると、つい速度を出しすぎてしまう人もいることでしょう。

また、ツーリングなどで一緒に走っている人と距離が離れてしまったときにも、追い付きたいという気持ちからスピードを上げてしまうこともあるものです。つい出来心で行いやすい行為であっても、状況によっては大きな事故につながる可能性があるスピード違反は当然、交通違反の処分対象となります。

スピード違反を起こしたときに付与される違反点数や反則金を決めるのは超過速度です。たとえば、超過速度が15km未満である場合、違反点数は1点、反則金は7000円となります。

一方、25km以上30km未満だと違反点数は3点、反則金は1万5000円となり、15km未満のケースと比べると2倍以上です。さらに、一般道であれば30km以上50km未満、高速道なら40km以上50km未満の超過速度が確認されると刑事罰が科されるため要注意となります。

信号無視

信号無視もスピード違反と同様にツーリングで連れの走行者に追い付こうとして思わず違反しやすい行為ではありますが、非常に危険です。

信号無視をしたときの違反点数や反則金額は、違反時の信号の色によって変わります。信号が点滅しているタイミングで走ったら、違反点数は2点、反則金は6,000円(二輪車) 5,000円(原付)です。

一方、「止まれ」を意味する赤信号であったにもかかわらず無視をして走行した場合には、違反点数は同じく2点ですが、反則金は7,000円(二輪車) 6,000円(原付)となります。

参照元:https://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0120/menkyo/tensu-hyou-itiran-1.html

ヘルメットの着用

いわゆるノーヘルで走行した場合にも交通違反の対象です。ヘルメットを走行中に着用しなかった場合、「乗車用ヘルメット着用義務違反」にあたり、反則金はありませんが、違反点数として1点が科されます。ヘルメットは自分自身の安全を守るためにも重要なアイテムです。必ず着用するようにしましょう。

追い越し違反

バイクは自動車などと比べてコンパクトなサイズであるため、渋滞時などにはすり抜けて走りたくなるものです。スピードも上げられるので、遅い車が先行していると追越したくなることもあるでしょう。

しかし、黄色い中央線が引いてある道路で、黄色車線をはみ出して追越し運転をすることは禁止です。また、踏切や交差点などの手前30mや急な下り坂など、追越しが禁止されているところはほかにもあります。

追越し違反をすると、違反点数は2点、反則金は7000円です。バイクで移動する際には時間に余裕を持って出かけるようにしましょう。

要注意!放置駐車違反と駐停車違反の違反点数と反則金

バイクは自動車に比べると、駐停車しても場所をあまり取りません。そのため、決められた場所ではないスペースに停めても、それほどほかの人に迷惑はかからないだろうと安易に思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、そのような考えは交通ルールやマナーのもとでは通用しません。違反行為と判断され、点数や反則金の対象となります。

違反内容や運転手の年齢によって異なる違反点数と反則金

駐停車が禁止されている場所などの場合、放置駐車の違反点数は3点で反則金が1万円、駐停車の違反点数は2点で反則金は7000円です。

一方、駐車が禁止されているところなどだと、放置駐車の違反点数は2点で反則金は9000円、駐停車違反の違反点数は1点で反則金は6000円となります。

ただし、運転者の年齢によっては科される反則金が異なるため注意しましょう。高齢運転者などだと、駐停車禁止場所などでの放置駐車違反の反則金は1万2000円、駐停車違反の反則金は9000円です。

さらに、駐車禁止場所などでの放置駐車における反則金は1万1000円、駐停車違反の反則金は8000円となります。

紛らわしい2つの違反!そもそも放置駐車違反と駐停車違反の違いとは

違反点数や反則金に違いがある放置駐車違反と駐停車の違いについて、正しく理解しておきましょう。2つの違いのポイントとなるのが、駐車や停車をしている際に運転者がどこにいるかです。放置駐車違反は運転者がバイクのそばにいないときに対象となります。

警察官などにより移動命令が出せず、すぐにバイクを移動させられない状況の場合です。対して、駐停車違反は運転者が近くにいるときです。警察官などの移動命令に従い、すぐにバイクを移動できるケースが該当します。

軽い違反でも思わぬ大事故に!バイクに乗るときは安全運転を心がけよう

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1つの違反行為は軽いものでも、重なれば違反点数も反則金も大きなものとなります。また、小さな違反行為が大きな事故につながることもあるため要注意です。

処分におけるルールを知っておくと違反をしたときの対応がわかり安心ですが、何より違反を出さないことが一番です。

バイクを長く楽しむためにも、自分の身を守るためにも、交通ルールはきちんと守って運転するようにしましょう。