【初心者からプロまで】バイクメンテナンスに役立つパーツクリーナーの選び方と使用法

バイクのパーツメンテナンスは、走行性能の維持だけでなく、安全運転にも直結します。そこで今回は、パーツの効率的な清掃に欠かせない「パーツクリーナー」について、その種類や使い分け、さらにはおすすめ製品まで詳しくご紹介します。
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そもそもパーツクリーナーってなに?

パーツクリーナーは、エンジン部品やブレーキディスクなど、バイクのパーツに付着したオイル汚れやカーボン、グリースを除去するための専用クリーナーです。適切なクリーナーを選ぶことで、メンテナンス時間を短縮し、部品の寿命も延ばすことができます。

パーツクリーナーの種類:「速乾」「 遅乾」 「中速乾」

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速乾タイプ

速乾タイプのパーツクリーナーは、洗浄剤が非常に早く蒸発するため、作業時間の短縮が図れる点が大きな特徴です。

・スピーディーに作業できる
洗浄後は残留液がすぐに揮発するため、拭き取りなどの工程にすぐ移ることができ効率的です。

・残留溶液がほとんど残らない
洗浄剤が短時間で揮発し、部品に洗浄液が残る心配が少なくて済みます。

・用途に合わせた使い分けが重要
頑固な油汚れなど、しっかり浸透させる必要がある場合は、遅乾タイプとの併用を検討することもポイントです。

速乾タイプは、作業効率を重視する場合や、連続で作業する場合にオススメです。

遅乾タイプ

遅乾タイプのパーツクリーナーは、洗浄剤がゆっくりと蒸発することで、頑固な汚れにじっくり作用できる特徴があります。

・じっくり洗浄効果
汚れや油分に十分浸透し時間をかけて浮かせるため、頑固な汚れの除去に適しています。

・拭き取り作業との併用が推奨
乾燥が遅いので汚れをしっかり落とした後に、ウエスやブラシで拭き取ることで効果が最大化されます。

・複雑な形状の部品に向いている
細かい部品や凹凸の多い部品など、洗浄が難しい部分にも効果的です。

・時間をかけた丁寧なメンテナンス向け
一度に大量の汚れを除去するのではなく、丁寧に清掃作業を行いたい場合に最適です。

遅乾タイプは時間をかけて、頑固な汚れをしっかり洗浄したい場合におすすめです。

中速乾タイプ

中速乾タイプのパーツクリーナーは、速乾タイプと遅乾タイプの中間に位置する性能があります。

・バランスの良い乾燥時間
適度な時間があるため、洗浄剤が汚れにしっかり作用しつつ、作業の流れを大幅に止めずに済みます。

・効率的な汚れ除去
速乾タイプほど急激に乾燥しないため、汚れが十分に浮き上がり、複雑な部品の隅々まで効果的に洗浄できます。

・多用途への対応
金属部品や混合材質のパーツなど、幅広い対象に使いやすく、特定の用途に特化しすぎないため、一般的なメンテナンス作業に向いています。

・作業効率と安全性の両立
遅乾タイプよりも過剰な残留液がなく、次の工程へスムーズに移行できる一方で、パーツへのダメージリスクも低減されます。

中速乾タイプは、時間のロスを最小限に抑えながら、しっかりと汚れを落としたい場合に最適です。

パーツクリーナーの使い方のポイントと注意点

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パーツクリーナーを使うときのポイント

・取扱説明書の確認
各製品には推奨される使用方法が記載されているため、まずは説明書をよく読みましょう。

・適切な換気
揮発性の溶剤を含むため、風通しの良い場所や屋外で使用することが重要です。

・事前テスト
使用する場合はパーツにいきなり吹きかけるのではなく、目立たない部分で試してから全体に使いましょう。

・適切なスプレー距離と角度
エアゾールタイプの場合は、製品指定の距離(例:20~30cm)で均一に噴射することが効果的です。

・補助具の利用
頑固な汚れには、ブラシやウエスなどで軽くこすりながら使用すると洗浄効果が向上します。

パーツクリーナーを使うときの注意点

・使用禁止箇所の確認
チェーンや電装パーツ、塗装面など、専用のクリーナーが必要な部位には使用しないようにしましょう。シールやゴム部分を損傷する恐れがあります。

・火気厳禁
揮発性の溶剤を含むため、火気や静電気に注意し、必ず火気から遠ざけて使用してください。

・放置時間の管理
内容液が溜まりやすい箇所は、十分に乾燥しない恐れがあるため、使用後は適切な拭き取りや乾燥を行いましょう。

・保護具の着用
肌や目に直接触れないよう、手袋や保護メガネなどの着用をオススメします。

パーツクリーナーを使わないほうが良い箇所

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パーツクリーナーは非常に便利ですが、使用を控えたほうが良い箇所もあるので注意が必要です。

特に、チェーンやリヤサスペンションのロッド部分、フロントフォークのインナーチューブなどは、オイルを封入するためのゴム製のシールが使われており、パーツクリーナーを使用することでダメージを与えてしまいます。
そうすると、封入されたグリスやオイルが漏れる原因になってしまうため注意が必要です。

また、他にも下記のような箇所は使用しないほうが良いでしょう。

・戦争部品やセンサー類
石油系溶剤が内部の電子部品や配線にダメージを与える恐れがあります。

・塗装面やコーティング部分
溶剤が塗装面を侵す可能性があり、色落ちや劣化を引き起こすため、洗車用の洗剤を使用しましょう。

・プラスチック・ゴム部品
有機溶剤系の成分を含むパーツクリーナはプラスチックやゴムを劣化させることがあるため、専用のケア用品やクリーナーを使用するようにしましょう。

市販されているパーツクリーナーの種類

パーツクリーナーの種類には、主に以下のようなモノがあります。
それぞれの特徴をふまえて使い分けることで、効率的にメンテナンス作業を行えます。

・エアゾールタイプ(スプレー)
手軽に噴射でき、狭い部位にも届きやすい。保管や持ち運びにも便利です。

・液体タイプ
バケツやタンクに入れて使用するタイプで、洗浄したいパーツの数が多い場合に適しています。また、浸け置きができるので、頑固な汚れにも効果的です。

・フォームタイプ(泡)
泡状にして使用することで、部品全体に均一に行き渡り密着します。スプレータイプに比べ、複雑な形状の部品でも効果的に洗浄できます。

おすすめのパーツクリーナー

モクケン:テラ パーツ&ブレーキクリーナー 840ml(速乾タイプ)

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コストパフォーマンスに優れた『モクケン テラ パーツ&ブレーキクリーナー 840mL』は、速乾性と逆さ使用が可能な使い勝手抜群のブレーキ&パーツクリーナーです。バイクや自動車金属部品洗浄に最適で、石油系溶剤を使用したエアゾール形式。840mL入りで税込682円とお手頃価格。使い方は、洗浄対象の下に受け皿を置き、約20~30cm離れて全体に軽くスプレー。全体が湿ったらノズルを近づけ、頑固な汚れはブラシやウエスで補助することで、効果的に洗浄できます。

AZ:パーツクリーナー 650ml(遅乾タイプ)

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「AZ パーツクリーナー 650ml(遅乾タイプ)」は第2石油類のため、従来の第1石油類製品に比べ引火点が高く、より安全に使用できる点が魅力です。非塩素系の石油系溶剤を採用し、金属部品の脱脂洗浄に最適です。遅乾性タイプで、頑固な汚れもじっくり強力に落とす効果があります。また、有機溶剤予防規則の適用外なので、安心して使用できます。

AZ: PA-003 超強力/中速乾パーツクリーナー 650ml

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『AZ PA-003 超強力/中速乾パーツクリーナー650ml』は、油汚れ対策に特化した洗浄剤です。非塩素系溶剤を採用し、炭酸ガスによる強力噴射で、機械部品に付着した頑固な油汚れをじっくり浮かせ、効果的に洗浄します。中速乾タイプのため、洗浄剤が十分に作用しながらも作業が進みやすく、逆さ噴射も可能です。

KURE:パーツクリーナー プラスチックセーフ

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「KURE パーツクリーナー プラスチックセーフ」は、強力なジェット噴射で油汚れを素早く落としながら、プラスチックやゴムにも優しいパーツクリーナーです。自動車やオートバイ、農機具、工具、ラジコンなど、金属とプラスチックが混在するパーツの洗浄・脱脂に最適。速乾性により拭き取り不要で、逆さ缶でも使えるので手軽に使えます。使用前は必ず目立たない部分でテストし、内容液が溜まりやすい箇所には使わないよう注意してください。

まとめ

バイクのパーツクリーナーは、単なる洗剤以上のメンテナンスツールです。速乾タイプと遅乾タイプ、それぞれの特性を理解し、用途に応じた使い分けをすることで、愛車のパフォーマンス維持や部品寿命の延長につながります。ご紹介したおすすめ製品を参考に、ぜひ自分のメンテナンススタイルに合ったクリーナーを見つけてください!