【バイクヒストリア】世界に衝撃を与えた「1100カタナ」

バイクが初めて生み出されてから長い年月が経ちます。その間には多くのモデルが生産されてきましたが、その中でもひときわ大きな輝きを放っていたモデルがスズキによって開発された「1100カタナ」です。20年もの間多くの人たちから愛されたカタナには、どのような魅力が詰まっていたのでしょうか。

目次

世界中の人を驚かせた「ケルンの衝撃」

1980年に当時西ドイツのケルンで開催されたショーにおいて、その独創的かつ斬新なフォルムが世界中を驚かせ、「ケルンの衝撃」とまでいわれたスズキのカタナ。そのフォルムからあくまでショーモデルだろうと考える人が多かったのですが、翌年ほとんどデザインに変更がないまま一般販売されました。

ドイツ人デザイナーであるハンス・ムートが日本刀をイメージして作成したデザインは、「かっこいいバイクが作りたい」と常々考えていたスズキにとってどんぴしゃりなものであったため、ほとんどそのままのスタイリングで販売がされたのだとか。

その独創的なデザインから、カタナは日本国内でも大きな人気を博しましたが、当時の日本ではバイク販売は750 ccまでという規制があったため、1100 ccのカタナは逆輸入という形をとらざるを得ませんでした。そのため、一般のライダーたちにとってはなかなか手の届かない存在だったのです。

リターンライダーに愛される「1100カタナ」

1981年に販売された1100カタナは、1984年に一旦生産終了となったものの、再販希望の声が多かったことから87年に生産再開。2000年のファイナルエディションまで、実に20年もの間販売が続けられた非常に息の長いモデルとなりました。

そして1100カタナの人気は、今なお衰えることはありません。ここ最近は、若かりし頃にバイクを走らせていた中高年の元バイク乗りが再びバイクに乗る、「リターンライダー」が増えてきています。このリターンライダーたちから大きな支持を集めるのが、彼らが青春時代に憧れたモデル1100カタナなのです。

今、1100カタナに乗る際注意したいこと

1100カタナは今なお多くのライターたちから人気であり、愛車としている人が少なくありません。その中には、オリジナルはオリジナルのままに留め、カスタムはしたくないという人がいるでしょう。しかし、流石に販売開始から30年以上が経ち、ファイナルエディションからも15年以上が経っています。一つ一つのパーツが劣化している可能性も十分に考えられるため、妥協する箇所は妥協し、しっかりとカスタムをするようにしましょう。

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「1100カタナ」は今なお多くの人から愛されている

発売から数十年が経った今でも、1100カタナの人気が衰えることはありません。コストや現実性を優先するのではなく、「かっこいいものが作りたい」という想いが込められたモデルだからこそ、こんなにも多くの人を惹きつけてやまないのかもしれませんね。