RZ-VOL71 RZのタンクキャップゴムを作ってみる!

商品紹介
ココは町田街道から少し上がった場所にある桜並木。
毎年とてもキレイなので必ず一度はバイクで通るのですが、あっと言う間に桜のシーズンも終わってしまいましたね・・・

さて今回のネタは
タンクキャップのゴム考察です。
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RZ-VOL 71
RZのタンクキャップゴムを作ってみる!

こんにちは! ナップス伊勢原店のRZ店長フジブロスです♪
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ココは町田街道から少し上がった場所にある桜並木。
毎年とてもキレイなので必ず一度はバイクで通るのですが、あっと言う間に桜のシーズンも終わってしまいましたね・・・

さて今回のネタは
タンクキャップのゴム考察です。

今回は初期型RZやオムスビテールR/RRに使われているタンクキャップのゴム考察をします。
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コレね、コレコレ。

さて、ここからが本題なのですがこのタンクキャップ、裏のゴムラバーが単品では販売されてません
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ここのゴムです。キャップの裏側ですよ!
つまりこのゴムラバーが劣化して、ガソリンがにじんできてしまったら
丸ごと新品交換・・
値段はもちろんですが、タンクだけカギが変わってしまうのも残念です。

と、言う事で、
何か流用できないか!?
と考えてしまうのがRZ魂ってモンです(笑)

タンクキャップを丸ごと他車種から流用するというネタは以前からありましたが、フジブロスが使ってみた感想としては「満タンに入れ過ぎると漏れる」といった感じでした。これは恐らくゴムラバーの「厚み」「圧着力」の問題かもしれません。

そういった理由もあり、基本的に
満タンにしすぎない
と言う方法で対処している方が多いです。

さてさて、それではまず、純正タンクキャップゴムの寸法を見てみる事にしましょう。
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こちらが純正RZゴム。図におこしてみるとこんな感じです。
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フジブロスの画力が試されますな!
ただの平らなゴムなら簡単なのですが、真ん中部分がリブ状に盛り上がっているのがミソ。
ここでタンクへの圧着力を強めているのかな?

最近フジブロスが発見した「流用できるかな? ゴム」は、ホンダのゴリラ用です。
とりあえず注文してみました。

入荷して確認してみると、RZ純正品の様にリブはありません。まったくの平面です。

ホンダ純正品番:17631-329-003
パッキン、フューエルフィラーキャップ 140円(税抜)
安い!
これなら失敗してもダメージは小さいです。

入荷したので、まずは採寸してみましょう!
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厚みは約3mm、内径は約40mm、外形は約58mmと、寸法はまずまずですね。
リブ部分が無い分、タンクへの圧着力が弱いかも?

しかもこのままでは外径が約55mmのRZゴムより3mmもデカいのでキャップに収まりません。
と、言う事でRZのキャップに収まる様に外周を小さくカットしようと思います。

いつもの私なら「ハサミでざっくりチョキチョキと・・」といきたい所ですが、ブログに載せる以上はキッチリやるのが
フジブロス流
キレイに外周をカットする為に、前から欲しかったニューウェポンを投入します。
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コンパスカッター投入!
400円ぐらい。やはりカッターは
OLFAに限る!
※あくまでもフジブロスの見解です。

コイツでゴリラゴムの外周をキレイに丸く切りたいのですが、このままでは中心点が分からないので均一に切る事が出来ません。
そこで、ホームセンターでゴリラゴムと同じ3mm厚のゴム板を買ってきました。100円ぐらい。
カットする為のスペーサー製作なので、耐ガソリン性は必要ありません。
ゴリラゴムの中にはまる「スペーサー」を作ります。外形約40mm。
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クルクルっと! おっ! 予想以上にうまく切れた!
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ゴリラゴムと合体!
これで中心点もOK! 外周をカットする準備が出来ました!

カットする前にRZのタンクキャップのデータ収集が必要ですね!
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ここはざっくり40mmチョイ。ゴリラゴムの内径とほぼ同じですね。
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ここの外径は58mm弱。つまりゴム外径は58mm以下でないと収まらない!

純正のRZゴム外径は約55mmでしたが、なるべく面を広く取る為に外径はギリの約57mmに決定!
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これまた意外と上手に出来ましたが、ちょっと切りすぎたか・・?
純正タンクキャップにもスッポリとはまる様になりましたので、まずはこのままカットしたゴリラゴムのみを装着してタンクキャップを閉めてみます。
何かちょっとゆるい?
気のせいなのか? リブ部分が無いせいなのか? ちょっとだけ締めこみが弱い気がします。
このまま装着して乗ってみたところ、漏れてはきませんでしたがやはり不安が残ります。
・満タンにしすぎない様にしたから大丈夫だった?
・夏場などは漏れるかも?

と、言う事でリブ部分をどうするのか!? ですね。
ここでフジブロス考えました。
もう1枚重ねてみよう!
リブの高さは約1.6mm。
今度はガソリンに触れる部分なので、耐ガソリン性のあるゴムシートが必要です。
インターネットで色々調べてみると、どうやら「NBRゴム」なる物なら、ある程度の耐ガソリン性はある様子。「HNBRゴム」と言うゴムの方が耐ガソリン性や耐候性も良いみたいですが、少量のシート状で販売している物がナカナカ見つかりません。
唯一販売されているのが

●キタコ製 品番0900-094-91010
ラバーシート HNBR 120mm×150mm 厚さ1mm
800円(税抜)
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非常に魅力的なのですが厚さが1mmの設定しか無く、ちょっと値段が高いので今回は一旦パスします。

「NBRゴムシート」ならネット通販で安く販売していたので「1mm厚」と「1.5mm厚」を1枚ずつ注文してみました。
1枚100円~200円ぐらいだったかな?
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入荷しました~♪
どの程度の耐ガソリン性があるのか分かりませんので、試しにガソリンの中に投入してしばらく様子をみてみます。
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10日間ほどカケラを投入しておきましたが、形や素材自体の大きな変化は見られませんでした。
ほんの少しだけ柔らかくなったような気もしますが、気のせいかもしれません。
フル満タン状態で放置しない限りタンクキャップが常にガソリンに浸かっているワケでは無いので、耐ガソリン性はまずまずOKとします。

では、前回と同じ工程でリブ部分となるパーツを作ってみようと思います。
リブの高さは約1.6mm。1.5mm厚が近い高さになるのでこっちで試作します。
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RZゴムのリブ幅は約2mmですが、同じ2mm幅で作るとキャップを閉める際にグチャグチャになってしまいそうです。
なので、最初はカットしたゴリラゴムと同じサイズで作ってみました。
つまり内径約40mm・外径は約57mm。
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出来上がりました!

ゴリラゴムと接着する手もあるのですが、今回はゴムに優しいシリコングリスを塗って重ねます。
無理な力が加わったら「滑らせる」作戦です。
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●キタコ シリコーングリス
0900-969-00130 360円(税抜)

全く同じサイズで作ったので、重ねると全周で4.5mmの厚さがある事になります。
もしかするとちょっとキツイかな~?
準備が出来たので、実際にタンクに装着してみました!

あれ? 普通に閉まった!
テンションのかかり具合も悪くありません。カギも問題無くかかりました。
気になるのは、純正ゴムのリブ部分の厚みは約4.6mmなのに対して重ねゴムは約4.5mmと言う事です。
つまり約0.1mm薄いと言う事。この僅かな差がガソリン漏れなどにつながらなければ良いですが、ゴリラゴム単品で装着した時に比べれば1.5mmは厚くなってますので大丈夫かもしれません。
しかしフジブロス
これじゃ不満です。
たった0.1.mmですが、純正よりも薄いのは不安が残ります。
そんな時にふと気が付きました。もう1枚購入してあった「厚さ1mm」を使って2枚を切り出し、重ねる事で
「厚さ2mm」をテストしてみよう!。
製作方法は同じなので、すぐに完成。装着テストしてみた所
普通に閉まったぞ!
厚すぎて閉まらないかと思ったのですが大丈夫でした。
しかも先ほどの「厚さ1.5mm」よりも、確実にキツくなりカギもOKです。
2mmが良さそうだな!
ゴリラゴムの厚さ3mm+2mmで合計約5mmです。
純正よりもブ厚いので、これなら期待できそうです。
何はともあれ、長年の使用で消耗・劣化・硬化が進んだゴムに比べたら、はるかに健康な状態です。

まだ不安があるとすれば、ゴリラゴムはそもそもタンクキャップ用のゴムなので「耐ガソリン性」に不安はありませんが、自作に使用した「NBRゴムシート」が長期的に見てどの程度の耐ガソリン性があるのかが分かりません

そんな時にふと思い出しました
キタコのHNBRゴムシート!
最初に一旦パスしましたが、アレが結果的に使えるじゃないですか!
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しかも「耐ガソリン性」と記載もありバッチリですっ
これを使って同じ工程で2枚を作れば安心ですね!

と、言う事でRZゴム製作の一連の流れをおさらいしましょう!

【用意する物】※すべて税抜価格表示
●ホンダ純正 品番17631-329-003 ゴリラキャップゴム×1個 140円
●キタコ 品番0900-094-91010 HNBRゴムシート×1枚 800円
●シリコングリスかラバーグリス×1 安い物で360円ぐらい
※上記3点は伊勢原店に在庫ございます。
価格は2018年4月現在
●厚さ3mmのゴムシート×1枚 100円ぐらい
●コンパスカッター 400円ぐらい

①3mmゴムから直径約40mmの丸いゴムを切り出す。
②ゴリラゴムと合体してゴリラゴム外径を約57mm位にカットする
③キタコ製ゴムを内径約40mm・外径約57mm位にカットする(2枚)
④切り出したゴム3枚に薄くグリスを塗る
⑤薄い2枚を先に入れて最後にゴリラゴムを重ねる

これで完成です。何も無い状態から用意しても
全部で1800円ぐらい♪
あとは「ヤル気」だけでございます(笑)
一度揃えてしまえば、次回はゴリラゴムとキタコゴムの合計で1,000円もあれば何度でも作れます。

ただし、何回も作るのであれば
新品を買っちゃいましょう!
結局ソコに行き着くのか・・と言う感じですが、旧車乗りはこういった工作が楽しかったりするんです!
そして、本当に手に入らなくなった時にも対処が出来るってモンです

完成したゴムを装着して、色々な道を150キロほど走行してみましたが漏れはありませんでした。
今回は満足のゆく結果かな、と思います♪

そろそろまたネタが無くなってきました!
新しいネタを探して今日もフジブロス
RZをイジります♪

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