寝かせれば良いってモンじゃないのよね。

タイヤの状態、ちゃんと見てますかー?


という訳で前回に続き、修理が一段落ついて野に放たれたワタクシ、ブログ担当BのNSR250R
やはり2年近くに及ぶ放置プレイは車両の至る所にダメージを与えていたようです。

先日の休日、雨の隙間を縫うように「宮ヶ瀬湖」から「ヤビツ峠」を経て秦野へ抜ける楽しいワインディングを満喫試走していましたらば・・
なんだか右足が温かいんですよ。足湯にでもつかっているような感じと言ったら分かり易いでしょうかね・・それはもう心地よい位に冷却水が漏れてるんですよ(わははー

NSR250Rは水冷エンジン。右側に冷却水循環用のポンプがついておりまして、そのポンプのメカニカルシールがダメになっていたようです。ゴム類は乗らなくとも劣化しますよねぇ・・嬉しさの余り失念しておりました!
(念の為申し上げておきます。今回は試走中なので冷却水には水道水を入れております。ワタクシの住む地区は比較的軟水なので大きなトラブルになりにくいんですが、通常は錆を誘発したり凍結の恐れがあるのでワコーズのLLCを65%希釈で使用してます)

とりあえず車両を止めて、エンジンと一緒に頭を冷やしながら「んー、やっぱNSR250Rってカッコイイなぁ」と一人悦に入ってたところ更にダメダメ箇所を発見。

ホイール汚ったなーい!!
Wow!!タイヤにドエラいひび割れ入ってるゥ!!
サイプ内部に細かいヒビを確認していましたが、こんな所がこんなに酷いとは・・・

長期保管時に土と接していた箇所のゴムは劣化防止剤が抜け、微細なひび割れが多数発生してしまったようです。
若干のひび割れは通常の使用でも発生しますが、このような状態はタイヤの構造に異常を来たしている可能性が非常に高く、ゆっくりと空気が抜けるスローパンクチャの原因になったり、走行中に破裂してしまったり、表面が剥離したり、と危険な状態かもしれません!

ワタクシは2年放置して細かいヒビを確認しているタイヤを継続使用する程の愚か者ではないので?既に新しいタイヤを手配済み。尚且つ前途の故障で走行が出来ない状態。気が付かずにもう少し長距離&高速度の試走に出ていたら「帰ってこれなくなっていた」かもしれませんね・・・恐ろしや。



皆様はタイヤの山が残ってるから大丈夫!なんて油断してませんか??


山が残っていても、ひび割れが生じていたり、日光や雨水でゴムが劣化している事があります!



年数がそんなに経っていなくとも、サーキット走行等で通常以上に熱が入ったタイヤは劣化防止剤が多く浮き出て、通常使用よりも早くヒビ割れが発生することも。

保管場所の近隣にエアコンの室外機や電動機等があると、発生するオゾンによってゴムのひび割れを発生させる事があります。
ひび割れがトレッド面から先のベルトやカーカスへ到達すると、剥離や破裂などの原因となります!


軽微なひび割れは許容範囲ですが、ひび割れを発見した場合は逐一経過を観察・点検して頂き、トレッド層の先へひび割れが到達する前にタイヤを交換して下さい!

また、表面保護の為のタイヤワックスの使用も極力避けて頂いた方が良いでしょう。
基本的には使用方法を誤らなければ車両の美観やタイヤの耐久性を上げる良いケミカルですが、ゴムとの相性によっては逆にひび割れを誘発してしまったり、走行時にタイヤの放熱性を損なってしまう事も有ります。
そして根本的にオートバイはタイヤのグリップに非常にシビアな乗り物。サイドウォールに塗布したワックスが遠心力と熱でトレッド面に流れてこないとも限りません!
タイヤの汚れが気になる場合は水洗いをして頂き、洗車後に水気を良く拭き取って下さい!

他にも空気圧が低圧な状態で走ってしまったりすると、内部のカーカス層を破壊し最悪の場合は破裂に至るケースも・・

案外怖いタイヤのトラブル。思い当たるフシがある方はもちろん、気にした事もない方はこれを機に点検してみてくださいね!!