高知県のおすすめツーリングスポット8選|絶景・快走路・名所を巡る旅

太平洋の風、清流のきらめき、そして山あいの稜線。高知県は、海・山・川すべてが詰まったライダーの楽園です。四万十川や四国カルストなど、多彩な絶景ルートが揃い、ワインディングから海沿いの快走路まで飽きることがありません。

この記事では、高知の自然と歴史を体感できるおすすめのツーリングスポットを8か所厳選。初心者からベテランまで楽しめる、走り応えと癒しに満ちたルートをご紹介します。
 (32530)

① 四万十川|日本最後の清流を感じる贅沢な時間

 (32521)

高知県西部を流れる四万十川は、「日本最後の清流」と称されるほど透明度が高く、自然が色濃く残る絶景スポットです。全長196kmを誇るこの川に沿って走るツーリングルートは、都会の喧騒から解き放たれ、心まで洗われるような開放感に包まれます。
特におすすめなのが「沈下橋」と呼ばれる欄干のない橋を巡るルート。佐田沈下橋や岩間沈下橋など、川の流れと一体化するような橋の上を走る体験は、四万十川ならではの醍醐味です。川面のきらめきと緑の山々を横目に、国道441号線をのんびりと走れば、まるで時間が止まったような静けさを味わえます。
途中には道の駅やカフェも点在しており、地元の川魚料理やスイーツを楽しむことも可能。四季折々の風景とともに、癒しのツーリングを楽しめるエリアです。

② 室戸岬|地球の息吹を感じるダイナミックな岬ルート

 (32522)

高知県東部に位置する室戸岬は、太平洋に突き出したダイナミックな岬。ユネスコ世界ジオパークに認定された地形は、走るごとに表情を変えるダイナミズムにあふれています。
国道55号線は道幅が広く見通しも良好で、右手に海を眺めながらのシーサイドクルーズを楽しめます。途中、海風が生む潮の香りがヘルメットの隙間からふっと流れ込んできて、五感が刺激される瞬間も。
岬の先端では、白亜の「室戸岬灯台」や弘法大師が修行をした「御厨人窟」など、歴史と自然が交差する空間が広がります。ツーリング途中にバイクを停めて、海沿いの遊歩道を歩くだけでも癒しのひとときに。
さらに、道の駅「キラメッセ室戸」では地元産の金目鯛を使った料理や、手作りジェラートが味わえるのも魅力のひとつ。絶景+快走+旨い、が揃った“贅沢岬ルート”です。

③ 四国カルスト(梼原町経由)|天空を駆けるような絶景ロード

 (32523)

標高1,000mを超える高原地帯を縫うように走る県道383号は、四国でも屈指のスカイライン。直線とカーブが絶妙なバランスで織り交ざり、バイクの性能を自然と引き出してくれる快走ルートです。
走行中には、風の流れが変わる感覚や、山肌を滑る雲の影を追いかけるような瞬間が幾度も訪れ、ライダーだけが味わえる特別な高揚感が胸を満たします。
放牧された牛たちの間を走り抜ける場面では、まるで海外を旅しているかのような非日常の世界が広がります。道沿いには自動販売機すら見当たらない静けさがあり、エンジンの音すら風景の一部として溶け込んでいく感覚を味わえるでしょう。
真夏でも空気はひんやりと心地よく、標高差による気圧の変化で耳がツンとする感覚も、旅情をかき立てます。高原を愛するライダーには、まさにたまらない至福のルートです。

④ 仁淀川|“仁淀ブルー”に心奪われる透明な川旅

 (32524)

国道194号線は、仁淀川の中〜上流に沿って走るツーリングルート。道幅も比較的広く、緩やかなカーブと勾配が交互に続き、リズミカルなライディングが楽しめます。
特に安居渓谷へと向かう分岐道は、清流のすぐ横を走れるポイントもあり、ヘルメット越しに川のせせらぎが聞こえるほどの近さ。バイクを停めて川面に腰掛ければ、その透明さに思わず時間を忘れてしまいます。
春は桜、夏は深緑と青、秋は紅葉と、川と山の色が季節ごとにくっきりと変わり、何度訪れても飽きません。
観光地としてはまだ穴場感が残っているので、人の少ない静かなツーリングを楽しみたい人にとっては格別の癒しスポットです。

⑤ 足摺岬|太平洋の絶景と信仰の地をめぐる果ての旅

 (32525)

足摺岬へ向かう道中は、国道321号線を中心に、森と海が交互に現れるロングツーリングにぴったりのルートです。とくに土佐清水市を過ぎてからは、交通量も少なく、道幅が広く開放的な区間が増えるため、走っていてとても気持ちが良い道です。
岬が近づくにつれて、海から吹き上げる風と太陽光が反射する波面が視界を包み込み、「いま地の果てに向かっているんだ」という感覚に……。バイクを停めて灯台まで歩けば、断崖から一望する太平洋の広がりに、思わず息をのみます。
さらに、金剛福寺や足湯、海産物を味わえる飲食店も周辺にそろっており、長旅の疲れを癒すにはぴったり。ツーリングの締めくくりとしても、心に残るスポットです。

⑥ 龍河洞|地底の神秘と太古のロマンに出会う寄道地

 (32526)

龍河洞へは、国道195号線を通ってアクセスするのが一般的です。この道は高知市から香美市へと続く山間ルートで、木漏れ日と渓谷の風景が交互に現れる静かな快走路となっています。
龍河洞は、そうした森を抜けた先に突如現れる“異世界”のような存在です。明るい自然の中から一転して、鍾乳洞の中は薄暗く、湿り気を帯びた静けさが支配する非日常の空間が広がっています。
体験コースでは、ヘルメットと作業着で狭い岩間を抜ける探検気分も味わえます。洞窟を出たあと、外の光とエンジン音が新鮮に感じられる……。そんな特別な時間を与えてくれるスポットです。

⑦ 桂浜|龍馬と太平洋を望む、高知の象徴的スポット

 (32527)

桂浜へ向かう県道34号線は、海沿いの風景と高知市街地の暮らしの空気が交差する、走っていて飽きのこないルートです。途中には漁港や商店街もあり、日常の中を旅しているような不思議な感覚が味わえます。
桂浜では、太平洋を見下ろす坂本龍馬像と、美しい弓状の砂浜が出迎えてくれます。海の音と潮風の中に佇む龍馬像は、どこか心を落ち着けてくれる存在です。
周辺には「坂本龍馬記念館」や「桂浜水族館」もあり、観光要素もばっちり。市内の名物・カツオのたたきやアイスクリンなど、グルメとあわせて楽しめるのも魅力です。​

⑧ 物部川流域|ローカル感と自然美が交差する癒しの山間ルート

 (32528)

物部川流域を走る県道22号や国道195号は、山と川、そして人の暮らしが混在する素朴な景色が続くルートです。視界が開けた瞬間に現れる川の流れや、小さな橋を渡るたびに、心がすっとほどけていくような感覚が味わえます。
とくに早朝の時間帯は空気が澄んでおり、自分の排気音が山あいに反響するような静けさに包まれます。川沿いにかかる朝もやの風景は、まるで絵画のような美しさです。
道の駅美良布では、地元野菜の直売や、手作り惣菜が並ぶ素朴なローカル感も楽しめます。派手な絶景ではないけれど、心の奥にじんわり残るような、そんな“もうひとつの高知”と出会えるエリアです。

おわりに|自然と風と人に癒される、高知ツーリングの魅力

海、山、川。高知県には、ライダーの心を満たすあらゆる自然の要素が詰まっています。今回ご紹介した8つのスポットは、それぞれに異なる表情を持ち、走るルート、風景、土地の空気、すべてが特別な時間を演出してくれます。
ベストシーズンは春〜秋。特に新緑の5月や紅葉の11月は、自然の色彩がもっとも美しい季節です。天候やルート情報を事前に確認して、安全で充実したツーリングを楽しんでください!